え、と思う間もなく身を乗り出した瀧川さんがいつもより近くにいて、右耳のイヤリングが少しだけ揺れ。
瀧川さんの指先が、少し、ほんの少しだけ、私の耳をかすめた。
え、え。
思わず目を見開いて。その間に瀧川さんはもう席に戻っていて。
イヤリングを見ていたときには伏せ目がちだった瞳がそっと開いて、驚きで見つめる私とばっちり目が合って。
お互い凍りついたような一瞬の後、真っ白な頭で、瀧川さんがイヤリングに触れたのだ、と遅れて理解した途端。
「……っ」
体温が、沸騰した。
いや、あの、え? え……?
だめだ顔が熱い。あつすぎる。
慌てて視線をさ迷わせたけれど、そんなことでは誤魔化せないくらい真っ赤に違いない。
……わかってる。ただの世間話だってわかってる。
奥さんとのことに触れない話題として、私が答えやすいように髪型を選んでくださったのも、いつもはつけないから多分ちょうどいいなってイヤリングを褒めてくださったのもわかってる。
でも。触れる、なんて。そんなの。
瀧川さんの指先が、少し、ほんの少しだけ、私の耳をかすめた。
え、え。
思わず目を見開いて。その間に瀧川さんはもう席に戻っていて。
イヤリングを見ていたときには伏せ目がちだった瞳がそっと開いて、驚きで見つめる私とばっちり目が合って。
お互い凍りついたような一瞬の後、真っ白な頭で、瀧川さんがイヤリングに触れたのだ、と遅れて理解した途端。
「……っ」
体温が、沸騰した。
いや、あの、え? え……?
だめだ顔が熱い。あつすぎる。
慌てて視線をさ迷わせたけれど、そんなことでは誤魔化せないくらい真っ赤に違いない。
……わかってる。ただの世間話だってわかってる。
奥さんとのことに触れない話題として、私が答えやすいように髪型を選んでくださったのも、いつもはつけないから多分ちょうどいいなってイヤリングを褒めてくださったのもわかってる。
でも。触れる、なんて。そんなの。


