「ちょ……」
その青い瞳の中に、私の姿がはっきりと見えるほど、その距離は近い。
顔!
顔が近い!!
ああもうだから、その美しい顔で私をじっと見つめないで!!
その瞳で見つめられると、動こうにも動けなくなってしまうから!!
そう副社長に言いたいのに、喉元まで出かかっているのに、どうしても声に出せない。
「ふ、ふくしゃちょ……」
つい、名前ではなくいつものように呼んでしまった。
それを聞いた副社長は、ピクリと身体を反応させる。
「……間違えた。早速、罰執行だな」
「え?あ、嘘ちょっとまっ……!」
抵抗する間もなく、私の身体に腕を回して引き寄せたかと思うと、瞬間、唇に温かいものが触れる。
「……っ!!」
――それはほんの数秒。
だけどその時の私には、その時間がとてつもなく長いものに感じられて。
唇が離れ、副社長は怪しげな笑みを零した。
そして流暢に、こう呟く。
「A penalty has been executed and completed.(罰の執行、完了)」
その時の私は、既に戦意喪失。
唇を押さえたまま、茫然とその笑みを見つめるしか出来なかった。

