黒 桜

お妙さんは意外に良いことを言うのね。




「お部屋に戻るところ止めて申し訳ないわね」




「大丈夫です。明日から勝手場に顔出しますね。今日は…疲れてしまって」




「はいよ。じゃあね」




女中さん達の団体が通り過ぎると椿さんだけそこに残った。




「沖田さんは私の物で私が狙ってるの。取らせないよ?」





壁に私を追いやって威圧をかける椿さん。
でも全然怖くない。




「はい?取るとかどうでもいいんです。まず、沖田さんが選ぶことでしょう?人を物扱いするのやめたほうがいいですよ。失礼します」





私は脅すつもりでそれだけ言うと部屋の中に入った。




恋だとか好きだとか私にそんな人はいない。

わからない。