原「……で、結局俺の部屋ってわけか」



『…土方と近藤さんが女が外で寝るなって……私だって迷惑かけたくないから外で寝たいのに…』



迷惑かけたくない。

ただそれだけだ。別に同じ部屋でいること自体はどうでもいいし、気にしない。



でもそれは多分……

私がまだ人に嫌われたくないと思ってるからだ。
どんなに、何度人に嫌われても、どんなに捨てられても…怖いものは怖い。


『はっ……まだまだだな…』




そう呟き誤魔化すように鼻で笑う夕桜を原田はじっと見つめていた。




原「そうだ夕桜ちゃん、まちに出てみないか?」

沈黙を破ったのは原田だった。


『……町…?………なんで』


原「何でってそりゃぁ………気晴らしだな」


行きたくない。
だってもし私がこころを許してしまったら?

どうせ裏切られるのに………



『…私は』



藤「入るぜーって、何話してたんだ?」



永「失礼するぜぇ〜って…邪魔したか?」


原「何がだよ(笑)」


三馬鹿トリオが揃った。いや、私は邪魔だね


『…じゃ、私は稽古場でも借りる………』



そう言って部屋を出ていこうとすると3人がとめてきた



『…なに』


藤「いやいや俺もシンパっつぁんも夕桜に用があって来たんだぜ??」


は?何を言ってんだ



永「そうだぜ?誘いに来たんだぜー?」


『誘いに……』


永「そうだぜー?町に行かねぇーか?」


藤「なんでも祭りみたいな事やってるみたいだぜ??」



原「なんだよ2人も誘いに来たのかよ(笑)」


お前もか!…と笑い合う3人。

誘いに来た?
私を…?なんで?何のために?……
私に信じさせて、いつか使うため……?


いや、きっとそれはないだろう。彼らはそんな人間じゃない

確かに会ってまもないがそれだけは分かる。
でも、やはり夕桜には人を信じることは難しい事なのだ



原「……ん、どーした?」


藤「あっ、もしかして行きたくないのか??」


永「楽しいと思うんだけどなー?」




『…………私は…』




私は────



『行ってみたい』


夕桜が小さく呟くと3人は微笑み頷いた。
この時とても嬉しそうな顔をしていたことを夕桜自身は気づかなかった…