最初からずっと思っていたが、この子は俺の姿を見て何とも思わないのか?
特にこの目を見たら、自分や仲間たちと違う瞳の色だと気づくはずだ。
でもこの子は、一切この瞳の色に触れようとはしない。もしかして気づいていないだけなのか?
「じゃ、じゃあ! 【ムーン】はどうですか?」
「……ムーン?」
ソニヤの言葉に俺は目を瞬かせた。
いきなり【ムーンはどうですか?】と言われ、一瞬何の事かと思ってしまった。
しかし直ぐに、俺の呼び方だと言う事に気づいた。だが……。
「何で……ムーンなんだ?」
理由が気になった。どうして月の意味を表す【ムーン】と言う呼び名にしたのかと。
きっと特に理由なんてないのだろうけど、それでもこの子が考えてくれた呼び名だ。
だから、理由を知りたくなった。
「それは、ムーンの瞳がとても綺麗だからです」
「っ!」
その言葉を耳にした瞬時、俺はソニヤの口を塞いだ。
急な出来事に驚いたソニヤは目を丸くしている。
しかし俺はソニヤの事より、耳を澄ませて辺りの気配を探った。
「……はあ」
俺たちの周りに狼人族の気配がない事に安堵しつつ、ソニヤから手を放して俺は小声で言う。
「良いか、ソニヤ。お前はまだ子供だから知らないと思うけど、お前が綺麗だと言ったこの瞳は、狼人族の中だと異端児を表すんだ」
「い、異端児ですか? ……どうして」
「狼人族は本来、深紅の瞳を持って生まれてくるんだ。ソニヤだって、狼人族でこの瞳の色を持った奴を見たことないだろ?」
「た、確かに見たことないです。でも……例え瞳が違ってもムーンは私と同じ狼人族です!」
「……っ」
俺はソニヤの言葉に目を丸くした。
母上以外にも、俺の存在を認めてくれた子が今目の前に居る。
ソニヤの言葉は正直……嬉しい。
例え異端の子について知らない子でも、後にそのことを知って俺を見る目が変わってしまっても、それでも今だけは少しだけ喜んでも良いだろうか?
特にこの目を見たら、自分や仲間たちと違う瞳の色だと気づくはずだ。
でもこの子は、一切この瞳の色に触れようとはしない。もしかして気づいていないだけなのか?
「じゃ、じゃあ! 【ムーン】はどうですか?」
「……ムーン?」
ソニヤの言葉に俺は目を瞬かせた。
いきなり【ムーンはどうですか?】と言われ、一瞬何の事かと思ってしまった。
しかし直ぐに、俺の呼び方だと言う事に気づいた。だが……。
「何で……ムーンなんだ?」
理由が気になった。どうして月の意味を表す【ムーン】と言う呼び名にしたのかと。
きっと特に理由なんてないのだろうけど、それでもこの子が考えてくれた呼び名だ。
だから、理由を知りたくなった。
「それは、ムーンの瞳がとても綺麗だからです」
「っ!」
その言葉を耳にした瞬時、俺はソニヤの口を塞いだ。
急な出来事に驚いたソニヤは目を丸くしている。
しかし俺はソニヤの事より、耳を澄ませて辺りの気配を探った。
「……はあ」
俺たちの周りに狼人族の気配がない事に安堵しつつ、ソニヤから手を放して俺は小声で言う。
「良いか、ソニヤ。お前はまだ子供だから知らないと思うけど、お前が綺麗だと言ったこの瞳は、狼人族の中だと異端児を表すんだ」
「い、異端児ですか? ……どうして」
「狼人族は本来、深紅の瞳を持って生まれてくるんだ。ソニヤだって、狼人族でこの瞳の色を持った奴を見たことないだろ?」
「た、確かに見たことないです。でも……例え瞳が違ってもムーンは私と同じ狼人族です!」
「……っ」
俺はソニヤの言葉に目を丸くした。
母上以外にも、俺の存在を認めてくれた子が今目の前に居る。
ソニヤの言葉は正直……嬉しい。
例え異端の子について知らない子でも、後にそのことを知って俺を見る目が変わってしまっても、それでも今だけは少しだけ喜んでも良いだろうか?



