「天音……」

かすれた声で呼ぶと、彼がゆっくりと目を上げてわたしを見て、柔らかく、でもひどく悲しそうに微笑んだ。

その笑顔を見た瞬間、突然、何かが自分の中で爆発するような感覚に包まれた。

自分ではどうしようもない外見のことでいじめられてつらい思いをしてきて、そのせいで可愛がっていた弟を怪我させてしまったことで激しい後悔と罪悪感にさいなまれてきた天音。

経験したことのないわたしには決して分からない途方もない苦しみの中に、今もまだ沈み込んだままもがき続けているのだろう。

もしかしたら、もうもがくことすら諦めて、ただ沈んで沈んで埋もれてしまうのを待っているのかもしれない。『治りたくない』と断言する彼を見ていると、そんな気がした。

きっと、それほどに大きくて深い苦しみなのだ。

天音はたぶん自分のことが嫌いだ。きっと自分を恨んで、憎んでいる。だから苦しい。

でも、彼はわたしを救ってくれた。わたしにとって天音は救いの光だ。彼自身がどんなに自分を嫌っていても、それでも天音はわたしの光だ。

だから、今度こそ、恩返しをしたい。

天音を救いたい。強く、強く、そう思った。

わたしは、天音を、その苦しみの中から救い出したい。