こういうのは、物語のできごとだからいいのだ。


まだ自由のきく高校生だったり、言っても違和感がないほどの生活環境にいる社長子息だったり、何かしら納得できるような原因が付随した、俺様だと分かっているキャラクターだからいいのだ。


キャラクターなら、他のキャラクターとの差別化を図るために、少しくらい大げさな言動になっても不自然じゃない。


私が俳優さんに悶えたのは、端から見ている状況だし、フィクションだし、しかもこれがエンターテイメントだからだ。


もし今渦中にいる状況で、たとえ好きな俳優さんからだとしても、自分に言われたら怒る自信があるよ、私は。


普通に彼女って言いなよ。

付き合って、で充分じゃんか。

恋人になって、でもいいけど、ものはちょっとアレだよ。


少なくとも私は現実ではときめけない。


ものと呼ぶことイコール支配欲だ! なんて暴論は言わないけど、「俺のモノ」と言うのは、余程の信頼関係や、お互いの愛情や、そうさせる状況がないと難しいんじゃないかなあ。


……なんてまあ、いろいろと考えてみたわけだけど。


結局一番は、もし伊波くんにそう言われたら、悲しいなということなのだった。


全然駄目じゃない。

駄目じゃないけど悲しいから、言わないで欲しい。


……なんて、我がままだろうか。