猫系男子のきまぐれ。

「ただいま」


誰もいないけどつい言ってしまう。


部屋に入って暖房をつける。


「ねえ、花野」


「どうしたの春くん」


不機嫌な春くんから話しかけてくれた。


「あのさ、あの男の人はだれ?」


「男の人?」


訳が分からず聞き返す。


「俺がトイレに行ってたときの」


春くんがトイレに行ってたとき…


誰かと一緒に…ああ!お兄ちゃんかな?


「あれはね」


「花野」


私の言葉をさえぎって春くんが私の名前を呼ぶ。