「この廊下をつきあたった所を右に曲がって、二番目の角を左に曲がる。そこの廊下の三番目。覚えましたか?」 遠!めんどくさ! ここの人はよく覚えられるなあ…。 「右に曲がって、二番目の角を…あれ、どっちだっけ」 口に出してみたけど、途中で忘れてしまった。 「あの~…」 中庭を見つめていた色黒の男に声をかける。 「なんですか」 彼は嫌そうに答えた。 視線は合わせないまま。