「成夜…どうしたの?なんで病院?」

「…っ覚えてないか?」

「…え?」

覚えてないって何が…?

身を起こそうとして、身体中に痛みが走る。

なにこれ、痛い…。

交通事故にでもあったのかな…。でも、今日はずっとお屋敷にいたのに…。

「…痛いのか?」

「…ズキズキする…。なんで?事故?階段から落ちた?」

「…今はゆっくり休もう。だから、今は寝てろ。な?」

…違うんだ。なら、なんでだろう…。

成夜は手を繋いだまま、頭を撫でてくれる。

成夜が休めって言うなら、今は休んでていいのかな。奥様、怒ってないかな…。

不安はあったけど、それ以上に体が重たくて、勝手にまぶたが閉じていく。

「なるや…」

「ん?…大丈夫。ここにいるから寝ろ」

「うん…」

手を繋いだまま、落ちていく意識に身を任せ、目を閉じた。