「お坊っちゃま、やめてください!!」

「琴葉、俺の専属になりな。特別待遇にしてあげるから」

「お坊っちゃま!!」

目の前にいるのは誰?本当にお坊っちゃまなの?

こんなこと、する人じゃない。お坊っちゃまは学園の王子様で、陣之内家の次期当主で、こんな、使用人に手を出すような人じゃない!!

手が完全に縛られ、両手の自由が奪われた。焦る気持ちが占める中、不意に体が妙な熱を持っていることに気づく。

なにこれ、熱?そんなわけない。こんないきなり発症するわけない…。

「効いてきたか…。即効性のあるものを選んで正解だったな」

なんの、はなし…?

気のせいか頭までぼんやりしてくる。

お坊っちゃまに抱えられて寝かされたのはベッドの上で、まずいって分かってるのに頭も体もまるで言うことを聞かない。

「はぁ、はぁ…」

「…琴葉。かわいい、俺の琴葉」

「…」

「大丈夫。俺も初めてだから。でも、ちゃんと気持ちよくさせてあげるから。その道のプロに聞いたし、薬も飲んだしね」