「はぁ、やっと終わった」

「づがれだ~」

最後のごみ袋の口を閉め終わり、暁くんと奏多さんはそれぞれ気が抜けたと言わんばかりに座り込んだ。

あれから5日経った。

起きてから寝るまでほぼほぼ片付けに追われて、台所も洗濯室もお庭もお風呂も宴会場のように大きなお部屋も、とにかく屋敷中を大掃除した。

そして、5日目にして新しい家電も揃い、何とか使える状態にまで持ってこれた。

結局、暁くんも奏多さんも最後まで手伝いというか、もう一緒にやってくれたとしか言えない。

1人でやってたら1週間じゃとてもじゃないけど出来なかった。2人には感謝してもしきれない。

足の怪我も大分良くなって、今は平気で歩ける。毎日文句を言いながらガーゼを取り替えてくれた暁くんのおかげだ。

ちなみに、この5日で暁くんは17歳、奏多さんが18歳なことがわかった。

2人とも高校は中退してそれっきりと言っていて、何でかははぐらかされた。聞かれたくなかったことだったみたいなので、それ以来聞いてない。

それでも、大分話せるようになって、楽しいって思えるようになってきた。

ついでに季龍さんとはあれ以来顔を合わせていない。伸洋さんはたまに様子を見に来て、ときどきおやつをくれる。

あ、そういえば今までご飯はどうしていたかというと、ずっと買ってきたり、出前を頼んでいたらしい。

何回か家政婦さんを頼んだことがあるらしいけど、何故だか毎回逃げられて?続かなかったらしく、諦めたとのこと。

まぁ、あの惨状を見たら逃げたくなる気持ちも分かる。