もう一度恋して




仕事が終わってからなので
病院は面会時間終了間際だった。


トントン


中へ入ると健二くん一人だった 
典子さんは?


「どう?健二くん」


カナさんが声かけた。


「あ カナさん!
すみません迷惑かけて」


カナさんはあたしの方を見て
口パクで『普通じゃん』といった。


あたしは違うよと首を振りかえした。


「オレ明日退院しますので
自宅療養して 
さ来週あたりから仕事へ出ますよ」


「大丈夫なの?」


「はい 左手は不自由だけど
片手ありますし 
何とかやれますよ」


「ちょっと聞くんだけど 
健二くんは彼女居るの?
なんかさぁ 女の人と車に乗ってて
事故したとか?」


カナさんの質問にあたしは心臓バクバク 
ずっと黙って聞いていた。


「居ますよ!
先に退院しましたけどね」


典子さんの事だ。


「その人が彼女なの?」


健二くんの答えは