「ほら~」
父が腕を出す
あたしは父の腕を取り扉の前に立った。
扉が開くと会場内は 静かな音楽が流れてる。
一歩一歩と父とバージンロードを
歩き前へ進んだ。
両サイドは
懐かしい従業員のみんなが拍手している。
この中に健二くんいるのかな?
事務所かな?
カメラが回ってるから
キョロキョロと探すわけにはいかない。
あたしたちが2/3進んだとき
新郎役の人が一歩一歩階段を降りてくる。
あたしは恥ずかしくて足元を見ながら進んで行った。
「ほら行きなさい幸せになるんだぞ」
父は本当の新婦の父になったと勘違いしたのか
あたしをそう送り出す。



