その夜久しぶりに
健二くんから電話がかかった。
「助かったよ ありがとな」
「うん
良いんだけど一つ問題があるんだ」
「何?」
「健二くんを見つけたら
『パパ』って言うかもしれない・・・
迷惑かけちゃうかも・・・」
「心配ないよ
オレは事務所だから
会いたくても時間帯によっては
見学に行けないかもしれないから
それに別に『パパ』
といわれても平気だし」
そうか・・・
会えないかもしれないんだ・・・。
あっ!
なにあたしがっかりしてんのよ!!!
「もしものときはごめんね
先に謝っておくから」
「いいって!
それより来週の日曜日だから
体調管理を頼むよ
代わりはいないんだから」
「うん 任せて」
「お前もだよ」
「えっ?あたしも~?」
「保護者なんだから」
「はいはい」
楓には健二くんが
そのホテルに居る事は黙っておこう
そう決めた。



