楓たちがお風呂へ入ってる間 
あたしはひとり怒っていた。


「健二くんって いい人間じゃないか…」


父は健二くんをすごく褒める。


それは認めるよ
だけどないでしょ・・・
みんな図々しいんだから!! 迷惑でしょう?


「母さん これで最後にしようね
もう健二くんには何も頼まないでね」


「わ・・・わかったわよ」


と言いつつも 納得してない母。 


「葉月お前はどうなんだ?
健二くんのことをどう思ってんのか?」


「友達?だと思ってる
健二くんだってそう思ってるから
あたしに親切にしてくれるのよ 
あのとき悪かったと言う罪の意識が
あるからこうして
力になってくれてるのよ 
それから早く解放してあげなくちゃ」


「ホントにそうならお前の言うとおり
解放してあげんとな」



お風呂の中から笑い声や歌い声が聞こえる。


あたしは欲張りになりそうだよ・・・
解放なんていいながらも 
このままって思ってしまう・・・。


お風呂から上がり
ご飯を食べて今日は楓がいい子で
たくさん遊んで納得したのか
また来てねと健二くんを素直にお見送りしたのだ。