健二くんが帰ったあくる日 
朝起きた楓は『パパは?』と
やはり聞いてきた。


「お仕事だって」


また嘘と付かないといけない。


そろそろ『パパはいないんだよ』って
言って聞かせないといけないよね。


「今度いつ帰ってくるの?」


「うーーん 
楓が大きくなってからかな?」


「いやだー!!!!!」


あっ!やってしまった 
ここもうそでももう少ししたらと
言えばよかったかな?


あまりにも泣くので母が


「どうしたの?」


と楓に聞いた。


「ママがパパは楓が大きくならないと
帰って来ないって」


「うそよ すぐに帰って来るからね
泣かないの」


言い聞かせてる母
うそよって そっちの方が嘘だし。


楓を保育園へ送った後
母に呼ばれた。


「昨日の人に言わなくていいの?
楓のこと」


母は分かってるんだ 
健二くんのこと・・・。


「言わないよ」


「でも・・・
あんたまだ好きでしょう?
あの人に気持ち伝えてみたら?」


「好きでも仕方ないの!!!
もう過去は振り向かない
未来に進むだけよ 
あっ!母さん!
余計なことしないでよね」


そう言ってあたしは仕事に出た。