「もしどこかで葉月に会ったら
一番に謝ろうと思ってたんだ
まさかこんな所で会うとは
思ってなくてカナさんに
葉月が来てるって聞いて
待ってたんだ」
「・・・・・」
「ごめんな 辛い思いさせて」
「うそ・・・
あたしたちのこと思い出したの?
いつ?」
「葉月が最後の日
握手してと言った手を取ったとき
一瞬この手を
離しちゃだめなんじゃないかって
ふと思った」
「その時に思い出した?」
「いや…
一年後くらいかな?
それまでは自分の今この生活
何か違うんじゃないかなんて
思ってても それが何か
はっきりしなかったんだ」
「もう過ぎたことだから気にしてないよ
それにどう思い出したのか知らないけど
あたし相当嫌われてたみたいだから
だからあたしとの
付き合ってた事実だけ
忘れちゃったんだよ」
「嫌ってた?」
「うん
まぁ ストーカー呼ばわりされたのは
ちょっとねぇ 許せなかったかな」
心とは違う強がりを言った。
「ストーカー?」
あれ?他を思い出したら
そこ忘れた?



