「小娘、しま子、小僧、そこで止まれ」
あたしとしま子と凍雨くんが、その場でピタッとストップモーションした。
気がつけば、いつの間にか人の行き来は途切れていて、あたしたち以外に人影は見当たらない。
「ここからが結界場所じゃ。ここで典雅たちを待つぞ」
じゃあ、どっかこの近くに宝物庫があるってことか。ずいぶん寂しい場所にあるんだね。
人がいなくて静かで眺めは最高だけど、警護の人も見当たらないし、こんな手薄なセキュリティー対策で大丈夫なんかいな?
そういえばあたし、こっちに来てもう一年にもなるけど、宝物庫には近づいたこともない。
貴重品ばかりが収められている超重要な場所だから、よほど地位の高い人じゃなきゃ立ち入りできないらしいし。
そもそもあたしにとってはそんなお宝なんて、縁も用もなかったし。
「あれ? でもこの場所って……」
あたしは周囲をグルッと見回して、クッと首を傾げた。
ここ、たしか初めてこっちの世界に来たときに、絹糸に案内された場所じゃないか?
ほら、あの、朱塗りの欄干の太鼓橋。やっぱりここ、あのときの場所だ。
えぇと、強力な結界が張られているらしいけど、どれどれ……?
両目を細めてシゲシゲと確認すると、太鼓橋の手前当たりの空間が、薄っすら黄色く色付いてユラユラ歪んで見える。
色つきの食品用ラップが、広範囲に及んでデーンと隔たっているカンジだ。
「あー、これ、やっぱり結界が張られてるね」
「触れるなよ? 触れた途端に精鋭部隊に取り囲まれるでな」
「でも前に来たときは、結界なんて張られてなかったよね? あたしたち普通に通ったじゃん?」
「通常ならば、結界は宝物庫だけに張られておるのだ。今は儀式中なので特別に範囲が広いのじゃよ」
「ふーん。それにしても懐かしいね」
あたしとしま子と凍雨くんが、その場でピタッとストップモーションした。
気がつけば、いつの間にか人の行き来は途切れていて、あたしたち以外に人影は見当たらない。
「ここからが結界場所じゃ。ここで典雅たちを待つぞ」
じゃあ、どっかこの近くに宝物庫があるってことか。ずいぶん寂しい場所にあるんだね。
人がいなくて静かで眺めは最高だけど、警護の人も見当たらないし、こんな手薄なセキュリティー対策で大丈夫なんかいな?
そういえばあたし、こっちに来てもう一年にもなるけど、宝物庫には近づいたこともない。
貴重品ばかりが収められている超重要な場所だから、よほど地位の高い人じゃなきゃ立ち入りできないらしいし。
そもそもあたしにとってはそんなお宝なんて、縁も用もなかったし。
「あれ? でもこの場所って……」
あたしは周囲をグルッと見回して、クッと首を傾げた。
ここ、たしか初めてこっちの世界に来たときに、絹糸に案内された場所じゃないか?
ほら、あの、朱塗りの欄干の太鼓橋。やっぱりここ、あのときの場所だ。
えぇと、強力な結界が張られているらしいけど、どれどれ……?
両目を細めてシゲシゲと確認すると、太鼓橋の手前当たりの空間が、薄っすら黄色く色付いてユラユラ歪んで見える。
色つきの食品用ラップが、広範囲に及んでデーンと隔たっているカンジだ。
「あー、これ、やっぱり結界が張られてるね」
「触れるなよ? 触れた途端に精鋭部隊に取り囲まれるでな」
「でも前に来たときは、結界なんて張られてなかったよね? あたしたち普通に通ったじゃん?」
「通常ならば、結界は宝物庫だけに張られておるのだ。今は儀式中なので特別に範囲が広いのじゃよ」
「ふーん。それにしても懐かしいね」


