「ああぁぁ、どういうことだ? どういうことなのだ? どうなっているのだ?」
長さんは到着するなり、ヨロヨロとその場に崩れ落ちてしまう。
よほど動揺しているらしく、ガックリとうな垂れて、息も絶え絶えに同じ言葉を繰り返すばかりだ。
「どうしたというのだ? どうなっているのだ? どうすればいいのか?」
「小浮気の長よ、まずは落ち着け。こういう時は、冷静さを失わぬことが一番肝要なのじゃ」
まるでこの世の終わりに直面しているみたいな長さんに、絹糸が声をかけて慰める。
でも聞こえているのかいないのか、長さんはひたすらパニック驀進中。
両手で顔を覆って頭を振って、いまにも途切れそうな悲痛な声で嘆いてばかりいる。
「ああぁ、水園、水園……私はどうすれば……ああぁぁ……」
「落ち着けと言うておろう。お前、仮にも一族の長であろうが」
「まさか私の代になって、このような不祥事が……まさか水園が、水園がぁぁ……」
そう言えばこの人、気が小さいって絹糸が言ってたっけ。
ほんとだ。すっごい小心者。
さっきから「あぁぁ」しか言わないし、泣き声になっちゃってるし、頼りないったら。
一族の長らしい光ってるところが、ぜんぜん見当たらないじゃん。
唯一輝いてるのは頭だけよ。
控え目っていうよりも卑屈って感じで、なんつーか、こう、思わず後ろから頭を小突きたくなるタイプ。
ツルッと滑って不発に終わりそうだけど。
長さんは到着するなり、ヨロヨロとその場に崩れ落ちてしまう。
よほど動揺しているらしく、ガックリとうな垂れて、息も絶え絶えに同じ言葉を繰り返すばかりだ。
「どうしたというのだ? どうなっているのだ? どうすればいいのか?」
「小浮気の長よ、まずは落ち着け。こういう時は、冷静さを失わぬことが一番肝要なのじゃ」
まるでこの世の終わりに直面しているみたいな長さんに、絹糸が声をかけて慰める。
でも聞こえているのかいないのか、長さんはひたすらパニック驀進中。
両手で顔を覆って頭を振って、いまにも途切れそうな悲痛な声で嘆いてばかりいる。
「ああぁ、水園、水園……私はどうすれば……ああぁぁ……」
「落ち着けと言うておろう。お前、仮にも一族の長であろうが」
「まさか私の代になって、このような不祥事が……まさか水園が、水園がぁぁ……」
そう言えばこの人、気が小さいって絹糸が言ってたっけ。
ほんとだ。すっごい小心者。
さっきから「あぁぁ」しか言わないし、泣き声になっちゃってるし、頼りないったら。
一族の長らしい光ってるところが、ぜんぜん見当たらないじゃん。
唯一輝いてるのは頭だけよ。
控え目っていうよりも卑屈って感じで、なんつーか、こう、思わず後ろから頭を小突きたくなるタイプ。
ツルッと滑って不発に終わりそうだけど。


