「……なるほど、事情は分かりましたでおじゃる」
伝書亀の背中に乗って、文字通り飛んで来たマロさん。
セバスチャンさんから手短に要点をまとめた説明を聞いて、すぐに納得してくれた。
「そういうことならば、ぜひ麻呂も同行させてくだされ」
「済まぬのう。お前は本当は、身重の塔子のそばについていたかろうが……」
心なしか毛並みの乱れた絹糸が、ゲッソリした表情でマロさんの厚意をねぎらう。
「いえいえ。実は塔子も、自分が行くと言い張っていたのでおじゃりまする」
「やれやれ。塔子は腹の中に子がいるという自覚はあるのか?」
「まったくにおじゃりまする。元気なのは良いことなのですが」
苦笑いする絹糸と一緒に、マロさんも困った顔で苦笑い。
さすが塔子さん。つわりで体調不良でも、我らが切り込み隊長の気合い満々だ。
赤ちゃん、あの塔子さんのお腹の中で十ヶ月も育てられるのかぁ。
生まれる前からビシビシ鍛えられて、塔子さんソックリの、そうとう根性据わった赤ちゃんが生まれてくるんだろうな。
楽しみ半分、怖いもの見たさ半分だ。
「にー! にー! にー!」
権田原の里から連れてこられた子猫ちゃんが、興奮してさっきからずっと騒いでいる。
「パールちゃんたら、静かにしなくてはダメですわよ?」
お岩さんが両腕の中にすっぽり包み込むようにして、子猫ちゃんをたしなめていた。
子猫ちゃんは一応、権田原の里で幽閉されている……ということになってるから、ここにいるのがバレちゃまずいのだ。なにかと。
伝書亀の背中に乗って、文字通り飛んで来たマロさん。
セバスチャンさんから手短に要点をまとめた説明を聞いて、すぐに納得してくれた。
「そういうことならば、ぜひ麻呂も同行させてくだされ」
「済まぬのう。お前は本当は、身重の塔子のそばについていたかろうが……」
心なしか毛並みの乱れた絹糸が、ゲッソリした表情でマロさんの厚意をねぎらう。
「いえいえ。実は塔子も、自分が行くと言い張っていたのでおじゃりまする」
「やれやれ。塔子は腹の中に子がいるという自覚はあるのか?」
「まったくにおじゃりまする。元気なのは良いことなのですが」
苦笑いする絹糸と一緒に、マロさんも困った顔で苦笑い。
さすが塔子さん。つわりで体調不良でも、我らが切り込み隊長の気合い満々だ。
赤ちゃん、あの塔子さんのお腹の中で十ヶ月も育てられるのかぁ。
生まれる前からビシビシ鍛えられて、塔子さんソックリの、そうとう根性据わった赤ちゃんが生まれてくるんだろうな。
楽しみ半分、怖いもの見たさ半分だ。
「にー! にー! にー!」
権田原の里から連れてこられた子猫ちゃんが、興奮してさっきからずっと騒いでいる。
「パールちゃんたら、静かにしなくてはダメですわよ?」
お岩さんが両腕の中にすっぽり包み込むようにして、子猫ちゃんをたしなめていた。
子猫ちゃんは一応、権田原の里で幽閉されている……ということになってるから、ここにいるのがバレちゃまずいのだ。なにかと。


