その言葉を聞いたとたん、鼻がジュンッと痛んで、目の奥がジーンと熱くなって、真美の顔が歪んで見えた。
パチパチと両目を忙しく瞬かせれば、目の前で大好きな人が笑っている。
子どもの頃からいつもあたしに勇気をくれて、励ましてくれて、背中を押し続けてくれた大親友が。
「真美、大好き」
目尻から零れた涙が頬を伝う。
熱い想いの固まりがお腹の底からグッとせり上がってきて、ノドが詰まって声が出ない。
それでも、言わなければ。
今ここで、あたしは真美に伝えなければならない。
「大好き。あたしの親友」
明日、あなたはあたしを忘れてしまう。
この誓いも、これまでのふたりの日々も、ぜんぶ忘れてしまうのだろう。
それでも、どうかお願い。
たとえあたしのことを覚えていなくても、あたしの親友のままでいて。
ムチャを承知で、そう願わせてほしいんだ。
届かぬ月に手を伸ばすように、どうしてもどうしても諦められない、この心からの想いを。
「大好き、真美。本当に大、大、大好きだよ」
笑え。
こんな泣き顔のままでは終われない。
せめて笑顔で別れたい。
なにも言わず、なにも聞かず、黙ってあたしのすべてを受け止めようとしてくれている、大切なあなたと。
「やだ、そんな情熱的な告白されたら照れちゃうじゃん。……じゃあ、またね里緒」
いつものように手を振って、笑顔の真美が自転車のペダルを踏み込んだ。
「あたしも里緒のこと、大、大、大好きだよ」
その言葉を最後に、真美の背中が滑るように遠ざかる。
薄雲の合間に沈みかけた太陽のまばゆい金色に飲み込まれるように、あたしのそばから離れていく。
その後ろ姿と、真美の部屋に飾られているあたし達の写真が重なって見えた。
遠ざかる大切な人を追いかけることも、声をかけることも、あたしにはできない。
網膜に焼き付けるように、真美の姿を見送ることしか。
自転車をこぐ見慣れた背中はあっという間に道の角を曲がって、見えなくなってしまった。
……こんなにもあっけない終わり。
こんなにもいつも通り変わりばえのない街の片隅で、わずか一瞬の久遠の別れ。
圧倒的に鮮烈なセピア色の空の下、胸に迫る薄藍色の日暮れた空気に染まったあたしは……
両手で顔を覆って……
思うぞんぶん声を上げて、泣いた……。
パチパチと両目を忙しく瞬かせれば、目の前で大好きな人が笑っている。
子どもの頃からいつもあたしに勇気をくれて、励ましてくれて、背中を押し続けてくれた大親友が。
「真美、大好き」
目尻から零れた涙が頬を伝う。
熱い想いの固まりがお腹の底からグッとせり上がってきて、ノドが詰まって声が出ない。
それでも、言わなければ。
今ここで、あたしは真美に伝えなければならない。
「大好き。あたしの親友」
明日、あなたはあたしを忘れてしまう。
この誓いも、これまでのふたりの日々も、ぜんぶ忘れてしまうのだろう。
それでも、どうかお願い。
たとえあたしのことを覚えていなくても、あたしの親友のままでいて。
ムチャを承知で、そう願わせてほしいんだ。
届かぬ月に手を伸ばすように、どうしてもどうしても諦められない、この心からの想いを。
「大好き、真美。本当に大、大、大好きだよ」
笑え。
こんな泣き顔のままでは終われない。
せめて笑顔で別れたい。
なにも言わず、なにも聞かず、黙ってあたしのすべてを受け止めようとしてくれている、大切なあなたと。
「やだ、そんな情熱的な告白されたら照れちゃうじゃん。……じゃあ、またね里緒」
いつものように手を振って、笑顔の真美が自転車のペダルを踏み込んだ。
「あたしも里緒のこと、大、大、大好きだよ」
その言葉を最後に、真美の背中が滑るように遠ざかる。
薄雲の合間に沈みかけた太陽のまばゆい金色に飲み込まれるように、あたしのそばから離れていく。
その後ろ姿と、真美の部屋に飾られているあたし達の写真が重なって見えた。
遠ざかる大切な人を追いかけることも、声をかけることも、あたしにはできない。
網膜に焼き付けるように、真美の姿を見送ることしか。
自転車をこぐ見慣れた背中はあっという間に道の角を曲がって、見えなくなってしまった。
……こんなにもあっけない終わり。
こんなにもいつも通り変わりばえのない街の片隅で、わずか一瞬の久遠の別れ。
圧倒的に鮮烈なセピア色の空の下、胸に迫る薄藍色の日暮れた空気に染まったあたしは……
両手で顔を覆って……
思うぞんぶん声を上げて、泣いた……。


