そんな会話を続けている間にも、地味男はどんどん吐血し続けた。
赤黒かった彼の顔色はみるみるうちに真っ青になって、両の瞼がピクピク痙攣し始める。
床に真っ赤な血が水たまりみたいに広がっていくのを見て、こっちの顔色まで地味男みたいに青くなってしまった。
地味男のノドの奥から変な音が聞こえる。必死になって息を吸おうとしているのに、ぜんぜん吸い込めていないんだ。
悠長に待ってる時間なんかないよ! これはどう見てもカウントダウン状態だよ!
「地味男、なんとか持ちこたえて!」
「成重様!」
あたしも水園さんも、苦しむ地味男を見ながら叫ぶことしかできない。
クレーターさんと凍雨くんとマロさんが、大慌てで蒔絵小箱に手を突っ込んで引っ掻き回してしているけど、なにも出てこなかった。
門川君と絹糸は、床を爪で掻き毟りながら苦悶している地味男を黙って見守っているだけだ。
その妙に落ち着き払っている態度に、あたしはつい大声を張り上げる。
「ちょっとふたりとも、そんな仏像みたいに冷静な顔してないでなんとかしてよ!」
「僕たちにできることは、なにもないんだよ」
すごく分かりきっていることをサラリと言われてしまって、余計にムッとした。
たしかにそうだけど、だからってなにもそんな、数式を解くみたいに無機質に言うことないじゃん!
人の命がかかってるってときに!
「せめてもうちょっと慌ててよ! この緊迫した状況で淡々としていられたらムチャクチャ腹立つんですけど!」
「にぃ――……」
あたしの八つ当たりの声を、小さな可愛らしい声が遮った。
いつの間にか意識を取り戻していたらしい子猫ちゃんが、ヨロヨロとした足取りで地味男に近づいて行く。
赤黒かった彼の顔色はみるみるうちに真っ青になって、両の瞼がピクピク痙攣し始める。
床に真っ赤な血が水たまりみたいに広がっていくのを見て、こっちの顔色まで地味男みたいに青くなってしまった。
地味男のノドの奥から変な音が聞こえる。必死になって息を吸おうとしているのに、ぜんぜん吸い込めていないんだ。
悠長に待ってる時間なんかないよ! これはどう見てもカウントダウン状態だよ!
「地味男、なんとか持ちこたえて!」
「成重様!」
あたしも水園さんも、苦しむ地味男を見ながら叫ぶことしかできない。
クレーターさんと凍雨くんとマロさんが、大慌てで蒔絵小箱に手を突っ込んで引っ掻き回してしているけど、なにも出てこなかった。
門川君と絹糸は、床を爪で掻き毟りながら苦悶している地味男を黙って見守っているだけだ。
その妙に落ち着き払っている態度に、あたしはつい大声を張り上げる。
「ちょっとふたりとも、そんな仏像みたいに冷静な顔してないでなんとかしてよ!」
「僕たちにできることは、なにもないんだよ」
すごく分かりきっていることをサラリと言われてしまって、余計にムッとした。
たしかにそうだけど、だからってなにもそんな、数式を解くみたいに無機質に言うことないじゃん!
人の命がかかってるってときに!
「せめてもうちょっと慌ててよ! この緊迫した状況で淡々としていられたらムチャクチャ腹立つんですけど!」
「にぃ――……」
あたしの八つ当たりの声を、小さな可愛らしい声が遮った。
いつの間にか意識を取り戻していたらしい子猫ちゃんが、ヨロヨロとした足取りで地味男に近づいて行く。


