「ね、地味男。見えない?」
あたしは地味男の隣にゴロリと仰向けに寝転がった。
驚いたように目をパチパチさせてこっちを見ていた地味男が、あたしと同じように上を見上げる。
「……なにも見えませんが?」
「あんた、視力いくらよ? よーく見てみなよ。見えるじゃん」
「よく見ていますが、なにも見えません」
「それ、『見えない』んじゃなくて、あんたが『見てない』だけだよ」
あたしはスッと片手を上げて、指さした。
「ほら、あるじゃん。星空」
天井にデッカく開いた大穴から覗く星々。
それは夜空に散りばめられた黄色だったり、白だったり、ピンクだったり、青だったり。
まるで光り輝く特別製のビーズを、漆黒の柔らかいビロードの布の上に撒き散らしたような、言葉にできないほど美しい光景だ。
あたしもね、自分が大変だったとき、夜空に星が輝くってことをすっかり忘れてしまっていた時期があるの。
でもさ、星はいつも変わらずそこにあったんだよ。
あたしが気付こうが気付くまいが、どんなに泣こうが苦しもうが、綺麗に輝きながらね。
それが事実なんだよ。
「この世界にどんなに悲しいことや苦しいことがあったとしても、あそこに、間違いなく美しいものがあるってことがさ」
「……私には、よく見えません」
「だろうね。見始めたばかりのときって、星はなかなか見えないから。時間が経てば見えてくるもんなんだよ」
空を染め上げる黒色をじーっと見つめて、その暗さに心が迷子になりそうになったとき。
まるで救いのように、小さな光を見つけるんだよ。
ちっぽけなちっぽけな光が、ここにも、そこにも、あそこにも。
ふと気がつくと、夜空一面を覆い尽くす花のようにチラチラと瞬いていて、その素晴らしさに目を見張るんだ。
……しま子が、あの日あたしに差し出してくれた花のように。
ねぇ、こんなに真っ黒な空にさえ、あれほど美しいものが満ちている。
それがこの世界の真実なんだよ。
「救いは、あるんだよ。地味男」
あたしは地味男の隣にゴロリと仰向けに寝転がった。
驚いたように目をパチパチさせてこっちを見ていた地味男が、あたしと同じように上を見上げる。
「……なにも見えませんが?」
「あんた、視力いくらよ? よーく見てみなよ。見えるじゃん」
「よく見ていますが、なにも見えません」
「それ、『見えない』んじゃなくて、あんたが『見てない』だけだよ」
あたしはスッと片手を上げて、指さした。
「ほら、あるじゃん。星空」
天井にデッカく開いた大穴から覗く星々。
それは夜空に散りばめられた黄色だったり、白だったり、ピンクだったり、青だったり。
まるで光り輝く特別製のビーズを、漆黒の柔らかいビロードの布の上に撒き散らしたような、言葉にできないほど美しい光景だ。
あたしもね、自分が大変だったとき、夜空に星が輝くってことをすっかり忘れてしまっていた時期があるの。
でもさ、星はいつも変わらずそこにあったんだよ。
あたしが気付こうが気付くまいが、どんなに泣こうが苦しもうが、綺麗に輝きながらね。
それが事実なんだよ。
「この世界にどんなに悲しいことや苦しいことがあったとしても、あそこに、間違いなく美しいものがあるってことがさ」
「……私には、よく見えません」
「だろうね。見始めたばかりのときって、星はなかなか見えないから。時間が経てば見えてくるもんなんだよ」
空を染め上げる黒色をじーっと見つめて、その暗さに心が迷子になりそうになったとき。
まるで救いのように、小さな光を見つけるんだよ。
ちっぽけなちっぽけな光が、ここにも、そこにも、あそこにも。
ふと気がつくと、夜空一面を覆い尽くす花のようにチラチラと瞬いていて、その素晴らしさに目を見張るんだ。
……しま子が、あの日あたしに差し出してくれた花のように。
ねぇ、こんなに真っ黒な空にさえ、あれほど美しいものが満ちている。
それがこの世界の真実なんだよ。
「救いは、あるんだよ。地味男」


