あぁ、そうか! 門川君は……
水絵巻を使って、お岩さんとセバスチャンさんの過去を調べるつもりなんだ!
常世島の戦いによって信子ババが亡くなってしまい、過去の事情を知っている人は、もういない。
ふたりが実の兄弟であるかどうかを、調べる手立ては尽きてしまった。
でも……。
『信子長老以外にも、彼らの真実を探す手段はどこかに必ずあるはずだ』
あの時、門川君はそう言っていた。
たしかに水絵巻を使えば、セバスチャンさんのお母さんの過去を見ることができる。
『僕は一度や二度で諦めたりしない』
彼は自分のその言葉通り、ふたりを救う方法をずっと諦めずに考えていたんだ。
そうか……
そうだったんだね! 門川君!
あたしったら自分勝手なことばっかり考えて、ヘソ曲げちゃってごめんなさい!
門川君に思いっきし八つ当たりする前に気がついて、よかったー!
「恐らく、すぐにも検分は始まるだろう。しばらく皆と連絡がとれなくなるが、案じることはないよ」
「永久様……」
「大丈夫だ。非常事態が起きたところで、僕は自分の身は自分で守れる」
力強く断言する彼の言葉に、皆は納得するしかない。
「誰も近づけない状況なのであれば、かえって心配はおじゃりませぬな」
「隔離といっても、門川の敷地内のことじゃ。なにかあれば、すぐに我らが駆けつける」
「そ、そうですよね!? なにも心配ないですよね!?」
皆が口々に、ことさら明るい口調で話している中……
セバスチャンさんは無言で、でもすごく複雑な目つきで門川君を見つめている。
セバスチャンさんは聡いから、きっと気づいているんだ。
門川君が、自分とお岩さんのために行動を起こそうとしてくれているって。
門川君の気持ちにすごく感謝してると同時に、本当に申し訳なくも思っているんだろう。
そして門川君のことを、とてもとても心配している。
普段は感情を表に見せないセバスチャンさんの、あのつらそうな目を見れば一発でわかる。
水絵巻を使って、お岩さんとセバスチャンさんの過去を調べるつもりなんだ!
常世島の戦いによって信子ババが亡くなってしまい、過去の事情を知っている人は、もういない。
ふたりが実の兄弟であるかどうかを、調べる手立ては尽きてしまった。
でも……。
『信子長老以外にも、彼らの真実を探す手段はどこかに必ずあるはずだ』
あの時、門川君はそう言っていた。
たしかに水絵巻を使えば、セバスチャンさんのお母さんの過去を見ることができる。
『僕は一度や二度で諦めたりしない』
彼は自分のその言葉通り、ふたりを救う方法をずっと諦めずに考えていたんだ。
そうか……
そうだったんだね! 門川君!
あたしったら自分勝手なことばっかり考えて、ヘソ曲げちゃってごめんなさい!
門川君に思いっきし八つ当たりする前に気がついて、よかったー!
「恐らく、すぐにも検分は始まるだろう。しばらく皆と連絡がとれなくなるが、案じることはないよ」
「永久様……」
「大丈夫だ。非常事態が起きたところで、僕は自分の身は自分で守れる」
力強く断言する彼の言葉に、皆は納得するしかない。
「誰も近づけない状況なのであれば、かえって心配はおじゃりませぬな」
「隔離といっても、門川の敷地内のことじゃ。なにかあれば、すぐに我らが駆けつける」
「そ、そうですよね!? なにも心配ないですよね!?」
皆が口々に、ことさら明るい口調で話している中……
セバスチャンさんは無言で、でもすごく複雑な目つきで門川君を見つめている。
セバスチャンさんは聡いから、きっと気づいているんだ。
門川君が、自分とお岩さんのために行動を起こそうとしてくれているって。
門川君の気持ちにすごく感謝してると同時に、本当に申し訳なくも思っているんだろう。
そして門川君のことを、とてもとても心配している。
普段は感情を表に見せないセバスチャンさんの、あのつらそうな目を見れば一発でわかる。


