「どちらにしろ、水絵巻は蛟一族に渡さなければならないだろう」
「そうじゃのう。引っ掛かりは覚えるが、長たち全員一致の賛同も得てしもうたでな」
「本当に、余計なときだけバイオリズムがぴったり一致しますわよねぇ。あの連中」
お岩さんが、しみじみと溜め息をつきながら思案する。
今日も今日とて彼女は、ド派手なピンクのプリンセスドレス姿があっぱれだ。
超でっかい鮮やかなブルーの薔薇が、ボンッボンッとドレス中に飾られていて、大胆な個性を主張している。
「なんとか理由をつけて、宝物庫の検分を先延ばしにできませんかしら?」
「ですが小浮気一族の長様にも、ずいぶんとご不便をかけているようです。これ以上のご心労は……」
「そうですわね。あの頭部のささやかな残骸さえ儚く散ることになったら、さすがにお気の毒ですわね」
「そうですか? ボクは逆に一本残らず、引っこ抜きたい衝動にかられますけど。あの残骸見てると」
「んまあ、凍雨さん。それは無慈悲というものですわ」
「だって未練たらしく風にそよいでるより、いっそツルッパゲの方が断然、男らしいですよ! ボクならそうします!」
「お見事な美学ですわ凍雨さん! それでこそ真の男ですわ!」
「ありがとうございます!」
「さて宝物庫の検分となれば、また問題が出てくるのぅ」
絹糸が、お岩さんと凍雨君の白熱する美学トークをあっさりスルーする。
「また問題? これ以上なんの問題をしょい込まされんの?」
「検分の間、永久は隔離されてしまうんじゃ」
……へ? か、隔離?
「そうじゃのう。引っ掛かりは覚えるが、長たち全員一致の賛同も得てしもうたでな」
「本当に、余計なときだけバイオリズムがぴったり一致しますわよねぇ。あの連中」
お岩さんが、しみじみと溜め息をつきながら思案する。
今日も今日とて彼女は、ド派手なピンクのプリンセスドレス姿があっぱれだ。
超でっかい鮮やかなブルーの薔薇が、ボンッボンッとドレス中に飾られていて、大胆な個性を主張している。
「なんとか理由をつけて、宝物庫の検分を先延ばしにできませんかしら?」
「ですが小浮気一族の長様にも、ずいぶんとご不便をかけているようです。これ以上のご心労は……」
「そうですわね。あの頭部のささやかな残骸さえ儚く散ることになったら、さすがにお気の毒ですわね」
「そうですか? ボクは逆に一本残らず、引っこ抜きたい衝動にかられますけど。あの残骸見てると」
「んまあ、凍雨さん。それは無慈悲というものですわ」
「だって未練たらしく風にそよいでるより、いっそツルッパゲの方が断然、男らしいですよ! ボクならそうします!」
「お見事な美学ですわ凍雨さん! それでこそ真の男ですわ!」
「ありがとうございます!」
「さて宝物庫の検分となれば、また問題が出てくるのぅ」
絹糸が、お岩さんと凍雨君の白熱する美学トークをあっさりスルーする。
「また問題? これ以上なんの問題をしょい込まされんの?」
「検分の間、永久は隔離されてしまうんじゃ」
……へ? か、隔離?


