あんたが転移の宝珠を使わなければ、こんなことにはならなかった!
そもそも、あんたがこんなバカな騒ぎを起こさなきゃ、こんな事態にはならなかったんだ!
あんたのせいだ! ぜんぶぜんぶ、あんたのせいだ!
「なんであたしとしま子を引き離すようなことするの!? 責任取ってよ!」
「…………」
「責任とって、しま子を返して! 返して! 返せぇ!」
我を忘れて再び術陣から飛び出そうとしたあたしを、門川君が両腕でガッシリと抱え込んだ。
あたしの髪に顔をうずめるようにして、あたしの名を呼ぶ。
「天内君……! どうか落ち着いてくれ」
それでもあたしは、その腕の中でひたすら暴れ回った。
地味男に飛び掛かって、メチャクチャに殴り倒してやりたい。
「あんたを引き裂いてやる! 噛み千切ってやる! 原形をとどめないほど、ボロボロになるまで叩き潰してやる!」
まるで心を悪魔に乗っ取られたように、激情を押さえられない。
口から吐く息が黒く染まりそうなほど、恨みと怒りの怒声を浴びせるあたしの心は、真っ暗な闇に囚われていた。
「うわあぁ! 返せぇぇ! しま子を返せ返せ返せえぇぇ!」
引っくり返った声で息も切れ切れに怒鳴り散らすあたしを、地味男は黙って見つめている。
やがて、なにも言わないその唇が、声を出さぬままに小さく動いた。
地味男の唇の動きを読んだあたしの叫びが、嘘みたいにピタリと停止する。
だって、地味男の唇は……。
『申し訳ない』
たしかにそう、つぶやいていたから。
まさか、謝られるなんて夢にも思っていなかった。
自分が見たものが信じられず、呆気にとられて脱力していくあたしを見つめる地味男の目は……
清水のように澄んだ涙で、薄っすらと覆われていた。
そもそも、あんたがこんなバカな騒ぎを起こさなきゃ、こんな事態にはならなかったんだ!
あんたのせいだ! ぜんぶぜんぶ、あんたのせいだ!
「なんであたしとしま子を引き離すようなことするの!? 責任取ってよ!」
「…………」
「責任とって、しま子を返して! 返して! 返せぇ!」
我を忘れて再び術陣から飛び出そうとしたあたしを、門川君が両腕でガッシリと抱え込んだ。
あたしの髪に顔をうずめるようにして、あたしの名を呼ぶ。
「天内君……! どうか落ち着いてくれ」
それでもあたしは、その腕の中でひたすら暴れ回った。
地味男に飛び掛かって、メチャクチャに殴り倒してやりたい。
「あんたを引き裂いてやる! 噛み千切ってやる! 原形をとどめないほど、ボロボロになるまで叩き潰してやる!」
まるで心を悪魔に乗っ取られたように、激情を押さえられない。
口から吐く息が黒く染まりそうなほど、恨みと怒りの怒声を浴びせるあたしの心は、真っ暗な闇に囚われていた。
「うわあぁ! 返せぇぇ! しま子を返せ返せ返せえぇぇ!」
引っくり返った声で息も切れ切れに怒鳴り散らすあたしを、地味男は黙って見つめている。
やがて、なにも言わないその唇が、声を出さぬままに小さく動いた。
地味男の唇の動きを読んだあたしの叫びが、嘘みたいにピタリと停止する。
だって、地味男の唇は……。
『申し訳ない』
たしかにそう、つぶやいていたから。
まさか、謝られるなんて夢にも思っていなかった。
自分が見たものが信じられず、呆気にとられて脱力していくあたしを見つめる地味男の目は……
清水のように澄んだ涙で、薄っすらと覆われていた。


