神様修行はじめます! 其の五

 とたんにズクン!と強烈な痛みが、一気に全身に突っ走った。


 あたしは「うぐぅ!」と唸り声を上げ、息をつめて顔を歪める。


 こ、こんのぉ、痛みめぇぇ! なに勝手に人の体の中を、青春みたいに駆け抜けてんだっつーの!


 通るんなら通行料払えぇ――!


 あたしはブハッと息を吐き出し、歯を食いしばってズリズリとほふく前進を始めた。


 傷がひどくて、とてもじゃないけど立ち上がることができない。でもどっちにしろこの暴風じゃ、起き上がったら吹っ飛ばされそうだ。


 うぅ、体を動かすたびに、どこもかしこもすんごい痛みが走って、全身が爆発しそう。


 痛い! 痛い! 体中を灼熱の棒でグルグル掻き回されてるみたい!


それでもあたしは唇をグッと噛みしめ、ポロポロ涙をこぼしながら前を向き、必死に進んだ。


 草をつかみ、土に爪を立て、足で地面を掻いて、ヒィヒィ泣きながら前進していく。


 そうしてあたしはなんとか、絹糸の横までたどり着いた。


 絹糸は地面に大の字に伏せて、ヒラメみたいにビターッとくっついたまま、身動きできない状態。


 まんまディズニーアニメのギャグシーンなんだけど、本人はかなり本気で必死だと思う。


 それにしても、即死しなかったのがラッキーなほどの重傷を負いながら、あたしがこんなに動けているのは子猫ちゃんのおかげだ。


 それもこれも、子猫ちゃんをチームに参加させることを決断した絹糸のおかげだよ!


「き、絹糸」

「なんじゃ!?」


 地面と一体化している体勢のまま、絹糸があたしの呼びかけに叫び返してくる。


「あ、ありがとね」


「この状態でいったい何を感謝されておるのかまったく分からんが、とりあえずお前が生きててよかったわい!」


「うん、あたし、まだ死んでらんない。だってあたしが、守らなきゃ」


 そう言って門川君に向かってほふく前進を続けるあたしに、絹糸が悲鳴混じりの声を上げる。


「小娘、なにをするつもりじゃ!? 危ないマネはよせ!」