―― ズシン……!
また一歩、しま子がこちらに近づいてくる。あたしも一歩下がって距離を取りながら、震える声で呼びかけた。
「しま子。ねえ、あたしだよ。里緒だよ?」
―― ズシン……!
「ねえ、本当に、分からないの? 本当の……本当に、あ、あたしのこと、忘れ……ちゃったの?」
―― ズシン……!
「しま子ぉ。しま、子ぉ。……う……えぇー……」
もう、涙で声にならなかった。
しま子があたしに近づくたびに、あたしの絶望も一歩一歩深まって、耐えきれない悲しみと苦しみが心を侵食していく。
認めたくない現実に激しく痛む心を抱えて、ついにあたしは子どもみたいに泣き叫んだ。
「しま子ぉ! こんなの絶対イヤだあぁ――!」
しま子はもうダメなんだって、頭では分かってる。
仲間の手で殺してあげた方がいいってことも、分かってる。
でも無理なんだよ! だって、あれはしま子なんだよ!?
どうやって諦めろって言うのさ? どうやって殺せって言うの?
あたしは、ぜんぶちゃんと覚えているんだ。しま子との大切な思い出を。
なのに、その思い出を抱いたままで、この手であたしにしま子を殺せって!?
そんな残酷なことってないよおぉ!
「しま子ぉ、しま子ぉ、しま子おぉ……」
「あれは、しま子じゃない」
アゴの先から雨粒みたいにボタボタ涙を落としているあたしの横で、門川君がきっぱりと言い切った。
また一歩、しま子がこちらに近づいてくる。あたしも一歩下がって距離を取りながら、震える声で呼びかけた。
「しま子。ねえ、あたしだよ。里緒だよ?」
―― ズシン……!
「ねえ、本当に、分からないの? 本当の……本当に、あ、あたしのこと、忘れ……ちゃったの?」
―― ズシン……!
「しま子ぉ。しま、子ぉ。……う……えぇー……」
もう、涙で声にならなかった。
しま子があたしに近づくたびに、あたしの絶望も一歩一歩深まって、耐えきれない悲しみと苦しみが心を侵食していく。
認めたくない現実に激しく痛む心を抱えて、ついにあたしは子どもみたいに泣き叫んだ。
「しま子ぉ! こんなの絶対イヤだあぁ――!」
しま子はもうダメなんだって、頭では分かってる。
仲間の手で殺してあげた方がいいってことも、分かってる。
でも無理なんだよ! だって、あれはしま子なんだよ!?
どうやって諦めろって言うのさ? どうやって殺せって言うの?
あたしは、ぜんぶちゃんと覚えているんだ。しま子との大切な思い出を。
なのに、その思い出を抱いたままで、この手であたしにしま子を殺せって!?
そんな残酷なことってないよおぉ!
「しま子ぉ、しま子ぉ、しま子おぉ……」
「あれは、しま子じゃない」
アゴの先から雨粒みたいにボタボタ涙を落としているあたしの横で、門川君がきっぱりと言い切った。


