鋭い牙の覗く口元から強い臭気が漏れて、ここまで嫌な臭いが届いてくる。
ノドを焼くような刺激にゲホゲホと激しく咳き込んでしまった。
「ゲホッ! しま……子……!」
涙目になりながらしま子の名前を呼んでも、なんの反応もない。
暗黒の色をした目はヌラヌラと光りながら、あたしのことをジッと見つめて逸らそうともしない。
あれは獲物から目を離さない、ただの捕食者としての本能だ。しま子は今、舌なめずりをしながらあたしのことを見ている。
しま子がこのあたしを、ただのエサとして見ている……。
―― ズシン……!
また一歩、しま子が重々しい足音を響かせてこちらに一歩近づいてきた。
仲間たちはそれに合わせるように、青ざめた表情でジリジリと後方へ下がっていく。
「しま子、よく見て! ホラわたくしよ!? あなたの友だちのジュエルよ!」
「しま子、ボクだよ! 凍雨だよ! ボクが分からないのか!?」
お岩さんと凍雨くんが懸命にしま子に向かって呼びかけている。凍雨くんなんて涙声だ。
執務で忙しい門川君や、ちょくちょく姿を消してしまう絹糸に比べて、凍雨くんはしま子と一緒に過ごす時間が圧倒的に多かった。
あたしが現世にいる間は彼がしま子の世話をしてくれていて、しま子もよく懐いていた。
そのしま子とまさか戦うことになるなんて、彼だって、こんな状況とてもじゃないけど受け入れられないだろう。
ノドを焼くような刺激にゲホゲホと激しく咳き込んでしまった。
「ゲホッ! しま……子……!」
涙目になりながらしま子の名前を呼んでも、なんの反応もない。
暗黒の色をした目はヌラヌラと光りながら、あたしのことをジッと見つめて逸らそうともしない。
あれは獲物から目を離さない、ただの捕食者としての本能だ。しま子は今、舌なめずりをしながらあたしのことを見ている。
しま子がこのあたしを、ただのエサとして見ている……。
―― ズシン……!
また一歩、しま子が重々しい足音を響かせてこちらに一歩近づいてきた。
仲間たちはそれに合わせるように、青ざめた表情でジリジリと後方へ下がっていく。
「しま子、よく見て! ホラわたくしよ!? あなたの友だちのジュエルよ!」
「しま子、ボクだよ! 凍雨だよ! ボクが分からないのか!?」
お岩さんと凍雨くんが懸命にしま子に向かって呼びかけている。凍雨くんなんて涙声だ。
執務で忙しい門川君や、ちょくちょく姿を消してしまう絹糸に比べて、凍雨くんはしま子と一緒に過ごす時間が圧倒的に多かった。
あたしが現世にいる間は彼がしま子の世話をしてくれていて、しま子もよく懐いていた。
そのしま子とまさか戦うことになるなんて、彼だって、こんな状況とてもじゃないけど受け入れられないだろう。


