神様修行はじめます! 其の五

 そうなるぐらいなら、『殺せ』と?


 他の誰かに殺されるぐらいなら、頼むから、お前のその手で殺してくれと?


 そんな悲しい約束を、絹糸は門川君にさせていたの?


「見知らぬ誰かになんぞ、殺されとうはないのじゃよ」


 そう静かに語る、絹糸の背中が泣いている。


 しま子も、きっと同じなんだ。


 いつか来るかもしれない日に怯え、『時よ止まれ』と祈りながら、変わらぬ日々を願い続けていたんだ。


 そして、身を切るような祈りの果てに……。


―― ズウゥ……ン!


 祈った記憶すら忘れ果て、ついに鬼神となったしま子が、こちらへ一歩踏み出した。