「それは、みんなだって同じ気持ちのはずでしょ!?」
「ならば、しま子の気持ちはどうなる?」
力を込めて叫ぶあたしに、絹糸が間髪置かずに答える。
気が昂ぶっているあたしとは正反対に、その声はとても静かだった。
「しま子自身は自我を失った自分が仲間を攻撃してしまうことを、望んでいるとでも思うか?」
「だ、だってそれは……!」
「少なくとも、我ならばそんなことは望まぬ」
変わってしまったしま子の姿をじっと見たまま、絹糸は淡々と言葉を続けた。
「もしも我が異形に戻ってしまう時が来たら、『その時はお前のその手で我を殺せ』と、永久に伝えておる」
そんなことを言う絹糸に、あたしは言葉を失った。
絹糸は『神獣』と呼ばれる貴重な存在とはいえ、結局は異形だ。
その体内には『バケモノ』の血が濃く流れている。
人に飼われたライオンみたいなもので、いつかひょっこり本能が顔を出して、人を襲うかもしれない。
絹糸に限ってそんなことはないと、あたしは心から信じている。でも本人は?
自分の中に明確に流れている異形の血を、誰よりも日々自覚している本人は?
……恐れていたのかもしれない。
飄々とした態度で、いつも『ほっほ』と楽しげに笑い声をあげながら、内心は怯えていたのかもしれない。
異形からあたしたちを守りながら、『いつか自分も仲間に牙を剥くかもしれない』と、自分自身を恐れていたのかもしれない。
「ならば、しま子の気持ちはどうなる?」
力を込めて叫ぶあたしに、絹糸が間髪置かずに答える。
気が昂ぶっているあたしとは正反対に、その声はとても静かだった。
「しま子自身は自我を失った自分が仲間を攻撃してしまうことを、望んでいるとでも思うか?」
「だ、だってそれは……!」
「少なくとも、我ならばそんなことは望まぬ」
変わってしまったしま子の姿をじっと見たまま、絹糸は淡々と言葉を続けた。
「もしも我が異形に戻ってしまう時が来たら、『その時はお前のその手で我を殺せ』と、永久に伝えておる」
そんなことを言う絹糸に、あたしは言葉を失った。
絹糸は『神獣』と呼ばれる貴重な存在とはいえ、結局は異形だ。
その体内には『バケモノ』の血が濃く流れている。
人に飼われたライオンみたいなもので、いつかひょっこり本能が顔を出して、人を襲うかもしれない。
絹糸に限ってそんなことはないと、あたしは心から信じている。でも本人は?
自分の中に明確に流れている異形の血を、誰よりも日々自覚している本人は?
……恐れていたのかもしれない。
飄々とした態度で、いつも『ほっほ』と楽しげに笑い声をあげながら、内心は怯えていたのかもしれない。
異形からあたしたちを守りながら、『いつか自分も仲間に牙を剥くかもしれない』と、自分自身を恐れていたのかもしれない。


