無我夢中でしま子の元に駆け寄ろうとしたあたしの手を、門川君が慌てて掴んで強引に引き寄せた。
「だめだ、そっちへ行くんじゃない! 落ち着くんだ天内君!」
「邪魔しないで! 手を放してよ!」
「だから、少し落ち着けと言っているだろう! 獏に攻撃されてようやく目覚めたばかりだというのに、どれだけ元気なんだ君は!」
イラついた声で怒鳴りながら、門川君があたしをギュッと抱き寄せて抑え込もうとする。
それでもあたしは、その腕の中でジタバタ大暴れして抵抗した。
ちょっと、離してよ! どさくさに紛れてドコ触ってんの!?
なんなら今ここで、往復ビンタと一本背負いを果たしてやってもいいんだからね!?
バタバタしてるせいでうやむやになってるけど、積もりに積もった恨みつらみは忘れたわけじゃないんだよ!?
「小娘、よう見てみい。しま子の様子が変なのじゃ」
「え!? 変ってなにが!?」
絹糸の言葉に嫌な予感がして、あたしはしま子の様子をうかがった。
倒れているしま子の全身から異様な気配が漂っているのに気がついて、スッと全身が冷える。
周りの空気を染めるような澱んだ嫌な臭いと、ひどく穢れた空間が、しま子の周りを包んでいた。
これは鬼の臭気! 人に使役されていない、純粋な異形としての鬼の気だ!
ああ、やっぱり……悪夢が現実になってしまったんだ!
「見て! しま子の姿が変わっていきますわ!」
「なんなんですか、あれ! しま子はどうしちゃったんですか!?」
絶望に立ちすくむあたしと、驚く仲間たちの目の前で、しま子がみるみる鬼神の姿に戻っていく。
あたしはそんなしま子の姿を、青ざめながら見つめていた。
どうしよう。しま子が……しま子でなくなっていく……。
「だめだ、そっちへ行くんじゃない! 落ち着くんだ天内君!」
「邪魔しないで! 手を放してよ!」
「だから、少し落ち着けと言っているだろう! 獏に攻撃されてようやく目覚めたばかりだというのに、どれだけ元気なんだ君は!」
イラついた声で怒鳴りながら、門川君があたしをギュッと抱き寄せて抑え込もうとする。
それでもあたしは、その腕の中でジタバタ大暴れして抵抗した。
ちょっと、離してよ! どさくさに紛れてドコ触ってんの!?
なんなら今ここで、往復ビンタと一本背負いを果たしてやってもいいんだからね!?
バタバタしてるせいでうやむやになってるけど、積もりに積もった恨みつらみは忘れたわけじゃないんだよ!?
「小娘、よう見てみい。しま子の様子が変なのじゃ」
「え!? 変ってなにが!?」
絹糸の言葉に嫌な予感がして、あたしはしま子の様子をうかがった。
倒れているしま子の全身から異様な気配が漂っているのに気がついて、スッと全身が冷える。
周りの空気を染めるような澱んだ嫌な臭いと、ひどく穢れた空間が、しま子の周りを包んでいた。
これは鬼の臭気! 人に使役されていない、純粋な異形としての鬼の気だ!
ああ、やっぱり……悪夢が現実になってしまったんだ!
「見て! しま子の姿が変わっていきますわ!」
「なんなんですか、あれ! しま子はどうしちゃったんですか!?」
絶望に立ちすくむあたしと、驚く仲間たちの目の前で、しま子がみるみる鬼神の姿に戻っていく。
あたしはそんなしま子の姿を、青ざめながら見つめていた。
どうしよう。しま子が……しま子でなくなっていく……。


