神様修行はじめます! 其の五

 ……ふたりで縁側に並んで座って、明るい日差しをいっぱい浴びながら食べた、梅干しおにぎりの味。


『うーん、おいしい! ね、しま子!』


―― うん、好き。


『うめぼしおにぎり』、すき。


 でも『おにぎり』をたべる、りおの笑顔のほうが、すき。



 ……夕暮れどきに、手を繋いで一緒に散歩した門川庭園の、目を見張る美しさ。


『見て、しま子。夕焼けがとっても綺麗だねぇ……』


 
―― うん、きれい。


 だいだい色になった、ふしぎなお空が、すき。


 でも、だいだい色になった、りおのほっぺたの方が、すき。


 りおのちっちゃい、あったかい手が、すき。



 ……夜の帳が降りた、闇と光の彩りに染まる中庭で見上げる、満天の星空の輝き。


『…………』


―― うん、わかってるよ。


 りお、なにもいわないけど、わかるよ。


 たくさんの、いのち、あそこにあるんだね。


 おそらにのぼった、かなしいいのちが、光ってる。


 でもね、だいじょうぶ。もうかなしくないから。


 いのち、あんなにキラキラだから、もうかなしくないんだよ。


 わたし、それ、わかるから。


 だから、りお、笑って。


 なみだ、こぼさないで。


 だいじょうぶ。だいじょうぶ。だいじょうぶだから。


 りお、わたし、まもるから。


 なにがあっても、ずっとずーっと、まもるから。