「しま子ぉ!」
思い出を掴み取ろうとするように両手を広げて、あたしは記憶の映像に思い切り手を伸ばした。
でも、しま子の記憶はあっという間に小さく萎む。
そしてあたしの手の中で、あっけなく消え去ってしまった。
「あぁ……!」
あたしは思い出を取りこぼしてしまった手の平で顔を覆って、ノドの奥から声を振り絞る。
消えた! あの大切な思い出を、しま子が忘れてしまったんだ!
身を引き裂かれるような大きな絶望が、お腹の底から込み上げてきた。
心はこんなに苦しいのに、その反面、呼吸の苦しさは消え去っていく。
楽になっていく自分の体の、その悔しさとやるせなさに歯を食いしばり、あたしはポロポロと涙を流した。
しま子が……あたしを守ってくれている。
『自分のことは自分でなんとかするから』なんて、偉そうなこと言ったけど……
そんなこと、なかった。一度もなかった。
いつもいつもあたしは、しま子に守られていた。
しま子が自分のすべてを犠牲にして、あたしの苦痛のぜんぶを引き受けて、あたしを守り続けてくれた。
見返りなんて何ひとつ求めない、優しくて、心の綺麗なしま子。
ただひたすらあたしを愛してくれたしま子が、あたしを忘れていく。
大好きなしま子が、あたしのことを忘れていく毎に、こうしてあたしは救われていく!
そんなの……そんなの……!
―― フッ……
あたしの悲しみをよそに、視界の端にまた映像が浮かぶ。
左右に、頭上に、足元に、幾つもの映像が、シャボン玉のように次々と浮かび上がる。
この記憶たちが消えてしまうんだ。しま子の中の、あたしとの思い出が、ぜんぶ!
無力感に打ちのめされ、涙を流しながらながら、あたしはそれらの思い出たちを眺めた。
思い出を掴み取ろうとするように両手を広げて、あたしは記憶の映像に思い切り手を伸ばした。
でも、しま子の記憶はあっという間に小さく萎む。
そしてあたしの手の中で、あっけなく消え去ってしまった。
「あぁ……!」
あたしは思い出を取りこぼしてしまった手の平で顔を覆って、ノドの奥から声を振り絞る。
消えた! あの大切な思い出を、しま子が忘れてしまったんだ!
身を引き裂かれるような大きな絶望が、お腹の底から込み上げてきた。
心はこんなに苦しいのに、その反面、呼吸の苦しさは消え去っていく。
楽になっていく自分の体の、その悔しさとやるせなさに歯を食いしばり、あたしはポロポロと涙を流した。
しま子が……あたしを守ってくれている。
『自分のことは自分でなんとかするから』なんて、偉そうなこと言ったけど……
そんなこと、なかった。一度もなかった。
いつもいつもあたしは、しま子に守られていた。
しま子が自分のすべてを犠牲にして、あたしの苦痛のぜんぶを引き受けて、あたしを守り続けてくれた。
見返りなんて何ひとつ求めない、優しくて、心の綺麗なしま子。
ただひたすらあたしを愛してくれたしま子が、あたしを忘れていく。
大好きなしま子が、あたしのことを忘れていく毎に、こうしてあたしは救われていく!
そんなの……そんなの……!
―― フッ……
あたしの悲しみをよそに、視界の端にまた映像が浮かぶ。
左右に、頭上に、足元に、幾つもの映像が、シャボン玉のように次々と浮かび上がる。
この記憶たちが消えてしまうんだ。しま子の中の、あたしとの思い出が、ぜんぶ!
無力感に打ちのめされ、涙を流しながらながら、あたしはそれらの思い出たちを眺めた。


