「しま子、もうやめて! もうこれ以上はやめて!」
自由になったノドを震わせながら、どこに向かって叫べばいいかも分からないのに、あたしは叫んだ。
しま子、あたしは大丈夫だから! 自分のことは自分でなんとかするから!
だからもうこれ以上、しま子の記憶を犠牲にしないで!
「ふたりの大切な思い出なのに、しま子だけがそれを忘れてしまうなんて……!」
『しま子! しま子おぉ――!』
あたしの叫ぶ声に重なって、エコーのように響く泣き声が聞こえて、サッと青ざめた。
これ、あたしの声! ってことは、しま子の記憶!?
またあたしとの思い出が獏に奪われちゃうの!?
慌てふためきながら周囲を見回したら、背後にポカリと映像が浮かんでいる。
それを見上げたあたしは、さらに青ざめて息をのんだ。
そこには……
しま子の胸の中にしっかりと抱きかかえられながら、必死の形相で叫び続けているあたしの姿。
映像が手ブレみたいに大きく揺れるたび、異形の猛々しい咆哮が響き、周囲に真っ赤な血しぶきが舞った。
これ、しま子の血だ。敵に攻撃されながら、自分の胸の中にスッポリ包み込んだあたしを、瀕死のしま子が見つめている記憶。
絶体絶命の状況の中で、自分の身を盾にしてあたしを異形から守り続けるしま子が、震えながら差し出す手の中に……。
一輪の、花……。
これは、あのときの記憶だ!
じー様と永世おばあ様の秘密を知ってしまったあたしが、ショックで門川の屋敷を飛び出したとき。
洞窟の中に誘い込まれて、異形のエジキになりかけていたあたしを、しま子が助けに来てくれた。
そして、あたしが歩むべき道を一輪の花によって示してくれたんだ。
あたしたちにとって絶対に忘れられない、あの大切な思い出が、しま子の中から消えてしまうの!?
嫌だ! そんなの絶対絶対、嫌だ――!
自由になったノドを震わせながら、どこに向かって叫べばいいかも分からないのに、あたしは叫んだ。
しま子、あたしは大丈夫だから! 自分のことは自分でなんとかするから!
だからもうこれ以上、しま子の記憶を犠牲にしないで!
「ふたりの大切な思い出なのに、しま子だけがそれを忘れてしまうなんて……!」
『しま子! しま子おぉ――!』
あたしの叫ぶ声に重なって、エコーのように響く泣き声が聞こえて、サッと青ざめた。
これ、あたしの声! ってことは、しま子の記憶!?
またあたしとの思い出が獏に奪われちゃうの!?
慌てふためきながら周囲を見回したら、背後にポカリと映像が浮かんでいる。
それを見上げたあたしは、さらに青ざめて息をのんだ。
そこには……
しま子の胸の中にしっかりと抱きかかえられながら、必死の形相で叫び続けているあたしの姿。
映像が手ブレみたいに大きく揺れるたび、異形の猛々しい咆哮が響き、周囲に真っ赤な血しぶきが舞った。
これ、しま子の血だ。敵に攻撃されながら、自分の胸の中にスッポリ包み込んだあたしを、瀕死のしま子が見つめている記憶。
絶体絶命の状況の中で、自分の身を盾にしてあたしを異形から守り続けるしま子が、震えながら差し出す手の中に……。
一輪の、花……。
これは、あのときの記憶だ!
じー様と永世おばあ様の秘密を知ってしまったあたしが、ショックで門川の屋敷を飛び出したとき。
洞窟の中に誘い込まれて、異形のエジキになりかけていたあたしを、しま子が助けに来てくれた。
そして、あたしが歩むべき道を一輪の花によって示してくれたんだ。
あたしたちにとって絶対に忘れられない、あの大切な思い出が、しま子の中から消えてしまうの!?
嫌だ! そんなの絶対絶対、嫌だ――!


