神様修行はじめます! 其の五

 からっぽの、こころ。


 からっぽの、からだ。


 なにも無いわたしに、どうか、ください。


 すべてと、すべての、はじまりを。


『しかたないなぁ。じゃあね、名前をつけてあげるよ。アンタは今日から……』


 わたしは、今日から?


『しま子、だよ』


 …………!!



 わたしは、しま子!


 しま子の、はじまり!



『とっても可愛い名前でしょ? あたしは里緒だよ。よろしくね』


 りお。りお。


 あなたの、ふたつの丸い目が、やわらかく細くなって、わたしをじっと見つめている。


 あぁ、それは、なんてステキ。


『しま子。うーん、我ながらいいネーミングだなぁ。し・ま・子!』


 白い歯の見える口が、くりかえす、声。


 あなたがわたしに、くれた物。


 それは、しま子という名まえ。


 あなたの細い目と、白い歯。


 そして、なにより……


『りお』が、わたしの、『すべて』ということ。



 だいすき。りお、だいすき。


 それがわたしの、すべてです。


 わたし、わすれない。


 今日を、わすれない。


 ぜったい、ぜったい、わすれない。


 わすれ、な、い……。