―― あのとき……
目のまえが、まっかに染まったの。
熱いほのおがヂラヂラゆれて、体じゅうが、まっかに燃えた。
熱い! 熱い! いたい! いたい!
ギリギリした苦しさに、いっぱいいっぱい、泣きました。
どんなに泣いても、ぜんぶぜぇーんぶ、燃やされて。
わたしは、消えて、さようなら……。
……そしたらね、なぜかポカリと、目がさめました。
新しい、からっぽのわたしの、はじまり。
世界のぜんぶも、新しかったよ。
光がきらきら。色もきらきら。
こんなの、しらない。ちょっぴりこわい……。
地面のうえで風にゆれてる、赤や、青や、みどりのヒラヒラ。
『ねぇ、あれは、なんですか?』
聞いても、だれも、おしえてくれません。
わたしの声は、とどかない。
わたしは、世界に、ひとりです。
さびしくて、おひざを抱えて、また泣きました。
そうしてひとりで、ずーっとずーっと、赤やみどりを見つめていたら……
『それはね、お花っていうんだよ。キレイでしょ?』
あなたの、声が、したのです。
あなたが、世界に、いたのです。
……わたし、知ってる。
あなたは、わたしとわたしの世界を、新しくした、ひと。


