すごく大きな咆哮に驚いたのもあるけれど、なによりもしま子の声が、聞いたこともないような恐ろしい咆哮だったからだ。
まるで、あたしたちがいつも戦っている異形みたいな声。
しま子がこんな生々しい声を出すなんて、これまで一度もなかったのに。
…………。
いや、違う。
一度だけ、こんな声を出すしま子の姿を見たことがある。
あたしが初めてあちらの世界に行って、自分が神の一族であると知ったときだ。
どうしても事実を信じようとしないあたしに、門川君が荒療治として、しま子を召喚してみせた。
当時のしま子は門川君に使役はされていたけれど、心は荒ぶる異形のままで、あたしを食おうと襲いかかってきた。
あのときのしま子の、血も凍るほど恐ろしくて禍々しい姿を覚えている。
さっきの声は、まさに、あのときの……。
『嫌あぁ! 助けて――!』
うわビックリした! 誰かいたの!?
とつぜん背後に響いた悲鳴に振り向いたあたしは、愕然としてしまう。
あ、あれは……。
「あたし!?」
真っ赤な血の池の向こう側に、必死の形相で逃げ惑う女の子の姿が見える。
あの姿は、間違いなくあたしだ。
一瞬、目の前に鏡があってそれに自分の姿が写っているのかと思ったけど、違う。
だって髪も短いし、服装もぜんぜん違うし、しかもあの恰好には覚えがある。
脇の詰まったAラインの花柄ノースリーブワンピースを着て、恐怖に引き攣った表情で、ジリジリと後ずさっている、あの姿は……。
一年前の、あたし! しま子と出会ったときの、あたしだ!
まるで、あたしたちがいつも戦っている異形みたいな声。
しま子がこんな生々しい声を出すなんて、これまで一度もなかったのに。
…………。
いや、違う。
一度だけ、こんな声を出すしま子の姿を見たことがある。
あたしが初めてあちらの世界に行って、自分が神の一族であると知ったときだ。
どうしても事実を信じようとしないあたしに、門川君が荒療治として、しま子を召喚してみせた。
当時のしま子は門川君に使役はされていたけれど、心は荒ぶる異形のままで、あたしを食おうと襲いかかってきた。
あのときのしま子の、血も凍るほど恐ろしくて禍々しい姿を覚えている。
さっきの声は、まさに、あのときの……。
『嫌あぁ! 助けて――!』
うわビックリした! 誰かいたの!?
とつぜん背後に響いた悲鳴に振り向いたあたしは、愕然としてしまう。
あ、あれは……。
「あたし!?」
真っ赤な血の池の向こう側に、必死の形相で逃げ惑う女の子の姿が見える。
あの姿は、間違いなくあたしだ。
一瞬、目の前に鏡があってそれに自分の姿が写っているのかと思ったけど、違う。
だって髪も短いし、服装もぜんぜん違うし、しかもあの恰好には覚えがある。
脇の詰まったAラインの花柄ノースリーブワンピースを着て、恐怖に引き攣った表情で、ジリジリと後ずさっている、あの姿は……。
一年前の、あたし! しま子と出会ったときの、あたしだ!


