神様修行はじめます! 其の五

 お岩さんの切迫した悲鳴が再び聞こえる。


 この声はどう聞いたって、しま子の活躍を喜んでいる声じゃない。


 しま子に……なにか大変な事が起きているんだ! しま子!


 慌てふためきながら血の池の中で耳をすませば、仲間たちの狼狽している声が次々と聞こえてくる。


『しま子の体が、獏のたてがみに包まれてしまってますわ!』


『典雅様、結界でしま子を守ってあげてください!』


『む、無理でおじゃる。いくら結界を張ったところで、本人が夢を見る行為までは防ぎようがないでおじゃる』


 しま子が、獏のたてがみの中に捕えられている?


 つまりしま子が、敵に捕まっちゃったってこと!?


 サーッと青ざめたあたしは、自由になった手足をバタバタ動かして、大急ぎで血の池からの脱出を試みた。


 大変、しま子が死んでしまう! すぐに戻らなきゃ!


 とにかく上を目指せば元に戻れるような気がするから、上を目指そう! なんの根拠も無いけど!


『ガアァァァ――!』


 いきなりしま子の咆哮が轟いて、あたしはビクッと震えた。