ガボッと大きく息を吐き出して池の底へ沈みながら、混乱した。
なんで!? これ、あたしの夢なんでしょ!? なら、あたしが望めば夢は変化するんじゃないの!?
もがきながら焦る頭に、記憶がパッと甦る。
そういえば絹糸が言っていた。獏は夢や記憶を操ったり奪ったりするって。
じゃあ、あたしの意思だけでは、この悪夢の結末は変わらないってこと?
獏本体をなんとかしないと、あたしが絶望に飲み込まれて息絶える悪夢が正夢になってしまうの?
でも、なんとかするって言ったって絹糸ですら獏の弱点を知らないのに!
―― ガボガボッ……!
ついに肺の中に残った最後の空気が全部吐き出されてしまった。
体中の酸素が欠乏して、あっという間に全身が細胞レベルから悲鳴を上げる。
エビのように仰け反り、本能的に息を吸い込もうとして開いた口から大量の血が入り込む。
言語を絶する苦しみに、死にもの狂いで暴れる手足を亡者たちに掴み取られ、さらに下へと引きずり込まれた。
あぁ……だめだ! やっぱり浮き上がれない!
『天内君! 絶対にキミを助ける!』
たぶん現実の世界でのあたしの様子も、本格的に瀕死の状態なんだろう。
門川君が必死に獏を攻撃しているらしい音が、彼の悲痛な叫び声と同時に響いてくる。
それはよほど凄まじい攻撃のようで、どうやら巻き込まれてしまっているらしい仲間の悲鳴も一緒に聞こえてきた。
『な、永久、落ち着けぃ! いくら獏を攻撃してもムダじゃ!』
『なぜだ!? なぜ僕の攻撃が効かないのだ!?』
『そやつは存在自体が夢幻であり、虚無であり、現実でもある! 倒す倒さぬといった概念の存在を超越しているのじゃよ!』
『今はそんな禅問答をしている時間はないんだ! 倒さなければ天内君が死ぬ!』
悲鳴のような門川君の声が急速に遠のいていく。
あぁ、もう、意識が途切れる。
死の底に捕えられ、生きる意思を示すこともできず、あたしの命が途切れていく。
門川君。門川君。門川君。
門川、君。門……川……。
『しま子!? なにをしてますの!? そっちへ行ってはダメですわ!』
なんで!? これ、あたしの夢なんでしょ!? なら、あたしが望めば夢は変化するんじゃないの!?
もがきながら焦る頭に、記憶がパッと甦る。
そういえば絹糸が言っていた。獏は夢や記憶を操ったり奪ったりするって。
じゃあ、あたしの意思だけでは、この悪夢の結末は変わらないってこと?
獏本体をなんとかしないと、あたしが絶望に飲み込まれて息絶える悪夢が正夢になってしまうの?
でも、なんとかするって言ったって絹糸ですら獏の弱点を知らないのに!
―― ガボガボッ……!
ついに肺の中に残った最後の空気が全部吐き出されてしまった。
体中の酸素が欠乏して、あっという間に全身が細胞レベルから悲鳴を上げる。
エビのように仰け反り、本能的に息を吸い込もうとして開いた口から大量の血が入り込む。
言語を絶する苦しみに、死にもの狂いで暴れる手足を亡者たちに掴み取られ、さらに下へと引きずり込まれた。
あぁ……だめだ! やっぱり浮き上がれない!
『天内君! 絶対にキミを助ける!』
たぶん現実の世界でのあたしの様子も、本格的に瀕死の状態なんだろう。
門川君が必死に獏を攻撃しているらしい音が、彼の悲痛な叫び声と同時に響いてくる。
それはよほど凄まじい攻撃のようで、どうやら巻き込まれてしまっているらしい仲間の悲鳴も一緒に聞こえてきた。
『な、永久、落ち着けぃ! いくら獏を攻撃してもムダじゃ!』
『なぜだ!? なぜ僕の攻撃が効かないのだ!?』
『そやつは存在自体が夢幻であり、虚無であり、現実でもある! 倒す倒さぬといった概念の存在を超越しているのじゃよ!』
『今はそんな禅問答をしている時間はないんだ! 倒さなければ天内君が死ぬ!』
悲鳴のような門川君の声が急速に遠のいていく。
あぁ、もう、意識が途切れる。
死の底に捕えられ、生きる意思を示すこともできず、あたしの命が途切れていく。
門川君。門川君。門川君。
門川、君。門……川……。
『しま子!? なにをしてますの!? そっちへ行ってはダメですわ!』


