―― ゴッ……!
いきなり、あたしの周りに生温かい突風が吹いて息が詰まった。
いや、これ、風じゃない。なにか異質な空間の塊が、あたしの全身を包み込んで……?
「天内君!?」
「小娘、どうした!?」
「アマンダ!? 急にどうなさったの!?」
え? なにが?
と思ったときには、あたしの体は仰向け状態で地面にバッタリ倒れていた。
倒れたのに、なんの衝撃も痛覚もない。意識がどこかに吸い込まれるように、急速に半濁していく。
あれ? な、なんか変だよ? 地面と夜空がグルグルしてる。
倒れているはずなのに体の下に地面の感覚がなくて、頭がぼわーっとしているし。
周りでみんなが騒いでいる声が聞こえるけど、うわんうわん耳の中で反響して、すっごい変な音に聞こえる。
「あの異形に攻撃されたでおじゃる!」
マロさんの悲鳴のような声も、どこか夢うつつだ。
あの異形? どの異形? それにしてもマロさん声、変てこりん。
ほら、パーティーグッズのヘリウムガスを吸ったときの声みたいだよ。
やだ、マロさん、この非常時になにしてんのぉ? おっかしいー……。
「あ、あの、天内さんが倒れながらニヤニヤ笑ってるのが逆に心配なんですけど、これ大丈夫なんですか!?」
「アマンダ、しっかりなさって! いったいどんな術をかけられましたの!?」
「あの異形は、なんなのでおじゃる!? 麻呂の結界を物ともせずに攻撃してきたでおじゃる!」
切羽詰まった仲間の声が、頭上を飛び交っている。
あたしのことを心配している内容だし、どうやら自分に非常事態が起きたみたいだってことが、やっと分かった。
でもなぜか不安に思えない。
現実感が、ないんだ。現実だと知っているのに、なにかが違う。そんな、感、じで……。
「獏(バク)じゃ」
絹糸の緊迫した声が遠くに聞こえて、消えかけていた意識が引っ張り戻された。
いきなり、あたしの周りに生温かい突風が吹いて息が詰まった。
いや、これ、風じゃない。なにか異質な空間の塊が、あたしの全身を包み込んで……?
「天内君!?」
「小娘、どうした!?」
「アマンダ!? 急にどうなさったの!?」
え? なにが?
と思ったときには、あたしの体は仰向け状態で地面にバッタリ倒れていた。
倒れたのに、なんの衝撃も痛覚もない。意識がどこかに吸い込まれるように、急速に半濁していく。
あれ? な、なんか変だよ? 地面と夜空がグルグルしてる。
倒れているはずなのに体の下に地面の感覚がなくて、頭がぼわーっとしているし。
周りでみんなが騒いでいる声が聞こえるけど、うわんうわん耳の中で反響して、すっごい変な音に聞こえる。
「あの異形に攻撃されたでおじゃる!」
マロさんの悲鳴のような声も、どこか夢うつつだ。
あの異形? どの異形? それにしてもマロさん声、変てこりん。
ほら、パーティーグッズのヘリウムガスを吸ったときの声みたいだよ。
やだ、マロさん、この非常時になにしてんのぉ? おっかしいー……。
「あ、あの、天内さんが倒れながらニヤニヤ笑ってるのが逆に心配なんですけど、これ大丈夫なんですか!?」
「アマンダ、しっかりなさって! いったいどんな術をかけられましたの!?」
「あの異形は、なんなのでおじゃる!? 麻呂の結界を物ともせずに攻撃してきたでおじゃる!」
切羽詰まった仲間の声が、頭上を飛び交っている。
あたしのことを心配している内容だし、どうやら自分に非常事態が起きたみたいだってことが、やっと分かった。
でもなぜか不安に思えない。
現実感が、ないんだ。現実だと知っているのに、なにかが違う。そんな、感、じで……。
「獏(バク)じゃ」
絹糸の緊迫した声が遠くに聞こえて、消えかけていた意識が引っ張り戻された。


