でも真美のことを大切だから、言えない。
大切な相手になにも言えない自分が、悲しい。
写真の中の幼いあたしたちは、真っ直ぐキラキラな顔して笑ってる。
その笑顔が今のあたしには眩しくて、羨ましくてしかたないんだ。
あの頃のままでいられたらいいのにって思ってしまう。
「ねえ里緒、もう一回約束しよう。これからも、どんなことでも打ち明けられる親友同士でいようって」
写真からあたしへ視線を移した真美がそんなことを言って、あたしの胸がドキンと騒いだ。
あたしは反射的に作り笑いを浮かべて、なんとなく視線をそらす。
「なに? どしたの急にそんなこと言って」
「んー。ただ、なんとなく」
そう言って真美は素直に微笑んでいる。
なにか含みのある様子も見えないし、たぶん本当に、特に深い意味もなく言い出したんだろうと思う。
でも、もしかしたら真美は、薄々気が付いているのかもしれない。
あたしの中の秘密をなんとなく感じていて、無意識に不安や寂しさを抱えているのかもしれない。
「ね? 約束しよ?」
ニコニコしている真美に、あたしは答えた。
「……うん。あたしたち、親友同士だよ」
笑いながら答える胸が苦しい。笑顔の仮面を貼り付けた自分が悲しい。
でもあたしは、こう答えるしかないの。
真美の不安を和らげるために。そしてあたしの、せめてもの本心を伝えるために。
「真美はあたしの大切な親友だよ」
「うん。里緒もあたしの大切な親友だよ」
そしてあたしちたちは、コーラの缶を開けてゴクリと飲み込んだ。
強い炭酸がノドを通って、軽い痛みをともなう痺れが胸を灼く。
このモヤモヤした苦しさを飲み下してしまいたかったのに、余計に痛みが増しただけ。
あたしは少しだけ唇を噛みながら、両手で缶をギュッと握りしめた。
大切な相手になにも言えない自分が、悲しい。
写真の中の幼いあたしたちは、真っ直ぐキラキラな顔して笑ってる。
その笑顔が今のあたしには眩しくて、羨ましくてしかたないんだ。
あの頃のままでいられたらいいのにって思ってしまう。
「ねえ里緒、もう一回約束しよう。これからも、どんなことでも打ち明けられる親友同士でいようって」
写真からあたしへ視線を移した真美がそんなことを言って、あたしの胸がドキンと騒いだ。
あたしは反射的に作り笑いを浮かべて、なんとなく視線をそらす。
「なに? どしたの急にそんなこと言って」
「んー。ただ、なんとなく」
そう言って真美は素直に微笑んでいる。
なにか含みのある様子も見えないし、たぶん本当に、特に深い意味もなく言い出したんだろうと思う。
でも、もしかしたら真美は、薄々気が付いているのかもしれない。
あたしの中の秘密をなんとなく感じていて、無意識に不安や寂しさを抱えているのかもしれない。
「ね? 約束しよ?」
ニコニコしている真美に、あたしは答えた。
「……うん。あたしたち、親友同士だよ」
笑いながら答える胸が苦しい。笑顔の仮面を貼り付けた自分が悲しい。
でもあたしは、こう答えるしかないの。
真美の不安を和らげるために。そしてあたしの、せめてもの本心を伝えるために。
「真美はあたしの大切な親友だよ」
「うん。里緒もあたしの大切な親友だよ」
そしてあたしちたちは、コーラの缶を開けてゴクリと飲み込んだ。
強い炭酸がノドを通って、軽い痛みをともなう痺れが胸を灼く。
このモヤモヤした苦しさを飲み下してしまいたかったのに、余計に痛みが増しただけ。
あたしは少しだけ唇を噛みながら、両手で缶をギュッと握りしめた。


