遠くの方から、複数のサイレンの音が近づいてくる。
あれは、消防車のサイレン? パトカーのサイレン音も聞こえる。
うわうわ、まずい。公務員の大集合だ。こうしちゃいられない。早くこの場から立ち去らないと!
「そ、それでは、通りすがりに仲良くなった皆様! 無事に脱出できたことですし、さっさと解散しましょうサヨウナラ!」
あたしは裏門の方を指さしながら、『ここから退散!』の指示を出す。
「ご縁があったら、またお会いできるといいですね! なんか、どっかの武家屋敷とかで、運命的に再会しちゃうような予感がしますけどね!」
『みんな、ひとまず武家屋敷に戻っていて。あたしも後で行くから、午後にでも合流しよう』
あたしの言いたいことを的確に読みとってくれたみんなが、うなづきながら素早くこの場を離れていく。
ハヤテのように立ち去っていく奇怪な集団を見送りながら、真美が困惑した声を出した。
「ねえ里緒、あの人たち大丈夫? こんな大変な事故に遭ったのに、病院で診察とか受けなくても平気なのかな?」
「あ、それは大丈夫。あの人たちに関して、間違いなくその心配はない」
「そ、そう? でも里緒はちゃんと診察受けなさいよ?」
「いやいや、平気平気! まるきり健康体! 背骨折って半身不随になりかけたりとか、ぜんぜんしてないから大丈夫!」
「……なにその、妙に具体的な症例は」
「べ、べつにぃ。ほら、早く教室行こうよ。学校から家の方に緊急連絡がいってるんじゃない?」
「あ、そうだね。今日はもう下校だってさ。親に迎えに来てもらって、確認の手続きが済んだら帰っていいって」
その後すぐ、真美のお母さんとあたしのお母さんと、双方無事に連絡がついた。
でもうちのお母さん、いま市外にいるから迎えに来るまでちょっと時間がかかるらしい。
だから真美のお母さんの車で一緒に帰って、うちのお母さんが戻って来るまで、真美の家にお邪魔させてもらうことになった。
あれは、消防車のサイレン? パトカーのサイレン音も聞こえる。
うわうわ、まずい。公務員の大集合だ。こうしちゃいられない。早くこの場から立ち去らないと!
「そ、それでは、通りすがりに仲良くなった皆様! 無事に脱出できたことですし、さっさと解散しましょうサヨウナラ!」
あたしは裏門の方を指さしながら、『ここから退散!』の指示を出す。
「ご縁があったら、またお会いできるといいですね! なんか、どっかの武家屋敷とかで、運命的に再会しちゃうような予感がしますけどね!」
『みんな、ひとまず武家屋敷に戻っていて。あたしも後で行くから、午後にでも合流しよう』
あたしの言いたいことを的確に読みとってくれたみんなが、うなづきながら素早くこの場を離れていく。
ハヤテのように立ち去っていく奇怪な集団を見送りながら、真美が困惑した声を出した。
「ねえ里緒、あの人たち大丈夫? こんな大変な事故に遭ったのに、病院で診察とか受けなくても平気なのかな?」
「あ、それは大丈夫。あの人たちに関して、間違いなくその心配はない」
「そ、そう? でも里緒はちゃんと診察受けなさいよ?」
「いやいや、平気平気! まるきり健康体! 背骨折って半身不随になりかけたりとか、ぜんぜんしてないから大丈夫!」
「……なにその、妙に具体的な症例は」
「べ、べつにぃ。ほら、早く教室行こうよ。学校から家の方に緊急連絡がいってるんじゃない?」
「あ、そうだね。今日はもう下校だってさ。親に迎えに来てもらって、確認の手続きが済んだら帰っていいって」
その後すぐ、真美のお母さんとあたしのお母さんと、双方無事に連絡がついた。
でもうちのお母さん、いま市外にいるから迎えに来るまでちょっと時間がかかるらしい。
だから真美のお母さんの車で一緒に帰って、うちのお母さんが戻って来るまで、真美の家にお邪魔させてもらうことになった。


