神様修行はじめます! 其の五

「門川君の、ばっかやろおおぉ――!」


「な、なぜここで、永久様が出てくるのでおじゃるか?」


「よくわかりませんけれど、アマンダの怒りによって滅火の力が濃縮されていきますわ!」


「張り切りすぎて暴発のパターンだけは避けてくれぃ! 小娘よ!」


「わかったオッケー! 任して!」


 体内を無尽に駆け巡る怒りの感情が、急激にあたしのテンションを上げる。


 気分も戦闘意欲もぐんぐん上昇してる興奮状態だけど、頭の中はスッキリ爽快だ。


 自分でも小気味良いほど集中してる。極小の針穴にも一発必中で糸を通せそうな、妙な確信と自信が満ちてくる。


 不安とか、恐怖とかの余計な邪念が消え去って、ただでさえ軽めの脳が単純明快に稼働し始めているんだ。


 この異形に滅火の炎を食らわせて、みんなを助ける。その一点に集中して!


「……視えた!」


 異形に渦巻く中心、狙うべき中核が視える。


 この期に及んで力加減とか配分とか、理論的な思考はぜんぜん頭に浮かんでこないけど、そんなのあたしには必要ない。


 理屈じゃないんだ。だってあたしの天内の血が、あたし自身に命じている。


『この自分の感覚を信じて……発動しろ! 滅火の力を!』


―― ボウッ……!


 脳みそがギュンッと絞られたような、強烈な感覚が走った。


 と同時に、異形が一気に炎に包まれる。


 周囲に閃光が走って、そのあまりの眩しさに、あたしは思わず両手で目を覆った。


 な、なにこれ!? これまで見たこともない炎の色だ!


 すっごい鮮烈な、透明度の高い黄色! めっちゃ眩しくて、すごい明るくて……


 まるで、お日様の光みたい!


「うわっ……!」

「眩し……!」


 あちこちで呻き声が聞こえる。


 薄闇の中でいきなり明るい光を見て、みんな完全に目が眩んでしまったんだ。


 眼球全体がズキズキ痛んで、どうにもならない。目蓋の裏が、ギランギランにハレーションを起こしてる。


 強烈な感覚に悶絶しながらも、異形が結界から離れていく様子だけは肌で伝わってきた。