分かれた一方が、水晶の群れの方へと向かっていく。
そして、その上を落ち着きなくクルクルと旋回し始めた。
……なんか……
こっちを気にしながらソワソワしている、あの様子って……
「宝物でも見張ってるように見えない?」
「さようでございますね。ひどく警戒しているように見えます」
うん。なんていうかさ、大事なものを一生懸命守ってるみたいに見えるんだよ。
「昔話に出てくる強欲ババが、お金のたんまり入った瓶の上に覆い被さって、『ここにはなにもない!』って叫んでいるように見えますわねぇ」
「あの異形にとって、ここの水晶は貴重品ということなのでおじゃろうか?」
あー、そっか。この水晶は特殊なエネルギーの集合体だから。
異形にとっては、世界三大珍味レベルの高級品。
つまり、アムール川のチョウザメの卵みたいなもんなんだ。
「ここにいるだけで、あの異形は恩恵を受けているのじゃろうて」
「それをあたしたちに、取られると思ってるんだね。だからこんなにしつこく追い払いたがってるんだ」
そう思って眺めれば、異形の様子は、シッポをピンと伸ばして警戒してる犬みたいに見える。
うん、似てる似てる。坂本さんちで飼ってるビーグル犬にそっくり。
犬みたいに追っかけてくるヤツだと思ったら、ほんとに番犬だったのか。
じゃあヘタに水晶にちょっかいさえ出さなきゃ、ひとまず戦闘に発展する危険性はないってこと?
「水晶には近づかぬのが得策じゃな。となればここで……」
「水園!?」
「……え? なに?」
「水園! 水園! 水園!」
いきなりクレーターさんが、結界の壁に激突するほどの勢いでベタッとへばり付いた。
その視線の先の、水晶の群れの端の辺りで、ひとつの影がユラリと動く。
そして、その上を落ち着きなくクルクルと旋回し始めた。
……なんか……
こっちを気にしながらソワソワしている、あの様子って……
「宝物でも見張ってるように見えない?」
「さようでございますね。ひどく警戒しているように見えます」
うん。なんていうかさ、大事なものを一生懸命守ってるみたいに見えるんだよ。
「昔話に出てくる強欲ババが、お金のたんまり入った瓶の上に覆い被さって、『ここにはなにもない!』って叫んでいるように見えますわねぇ」
「あの異形にとって、ここの水晶は貴重品ということなのでおじゃろうか?」
あー、そっか。この水晶は特殊なエネルギーの集合体だから。
異形にとっては、世界三大珍味レベルの高級品。
つまり、アムール川のチョウザメの卵みたいなもんなんだ。
「ここにいるだけで、あの異形は恩恵を受けているのじゃろうて」
「それをあたしたちに、取られると思ってるんだね。だからこんなにしつこく追い払いたがってるんだ」
そう思って眺めれば、異形の様子は、シッポをピンと伸ばして警戒してる犬みたいに見える。
うん、似てる似てる。坂本さんちで飼ってるビーグル犬にそっくり。
犬みたいに追っかけてくるヤツだと思ったら、ほんとに番犬だったのか。
じゃあヘタに水晶にちょっかいさえ出さなきゃ、ひとまず戦闘に発展する危険性はないってこと?
「水晶には近づかぬのが得策じゃな。となればここで……」
「水園!?」
「……え? なに?」
「水園! 水園! 水園!」
いきなりクレーターさんが、結界の壁に激突するほどの勢いでベタッとへばり付いた。
その視線の先の、水晶の群れの端の辺りで、ひとつの影がユラリと動く。


