「どうやら目的地に着いたようだ」
クレーターさんの声に、光の行方を追って上に向けていた視線を下へ下ろした。
そしてあたしは、目の前の光景に大きく息をのんで絶句する。
「……!」
「これは、なんと美しい……!」
絹糸もそう言ったきり、言葉を失った。
あたしたち全員、思いもよらない景観を前にして、声を失って見惚れるばかり。
そこに見えたものは、まさに水晶の草原だった。
異界の水底に、まるで平原に咲き誇る花々のように、無数の小さな水晶が見渡す限り存在している。
水底の一面がぼんやりと明るい。
掌にすっぽり収まってしまうほど小さな水晶たちが、それぞれ淡い光を放って、周囲を照らしているからだ。
水晶の放つ白い光が四方八方に拡散し、それが周囲の薄暗さと相まって、ユラユラ不規則な影を生み出す。
闇の中に息づく仄かな光源と、暗い影との組み合わせが、水底を無造作に彩る。
生命を感じるような、摂氏零度の炎が揺らめくような美しさ。
本当に夜明け間近の空かと思うほど、闇色と光色がここに自然に混在している。
この幻想のような絶妙な光景を、どう表現すればいいだろう。
「いやはや、これは見事なり。まさに心を奪われるような光景じゃのう」
「なんだかここの水、他の所よりも透明度が高くない?」
「おそらくこの、水晶の群れが発する光の作用じゃな。この光が濁った水を浄化しておる」
「え? そうなの?」
「うむ、清らかで澄んだ力を感じる。あの頃の、非常に美しかった水とまったく同じ気配じゃ」
「じゃあこの水晶たちって、ここの水をまた綺麗にしようとしているの?」
あたしは、水晶の草原を見渡した。
クレーターさんの声に、光の行方を追って上に向けていた視線を下へ下ろした。
そしてあたしは、目の前の光景に大きく息をのんで絶句する。
「……!」
「これは、なんと美しい……!」
絹糸もそう言ったきり、言葉を失った。
あたしたち全員、思いもよらない景観を前にして、声を失って見惚れるばかり。
そこに見えたものは、まさに水晶の草原だった。
異界の水底に、まるで平原に咲き誇る花々のように、無数の小さな水晶が見渡す限り存在している。
水底の一面がぼんやりと明るい。
掌にすっぽり収まってしまうほど小さな水晶たちが、それぞれ淡い光を放って、周囲を照らしているからだ。
水晶の放つ白い光が四方八方に拡散し、それが周囲の薄暗さと相まって、ユラユラ不規則な影を生み出す。
闇の中に息づく仄かな光源と、暗い影との組み合わせが、水底を無造作に彩る。
生命を感じるような、摂氏零度の炎が揺らめくような美しさ。
本当に夜明け間近の空かと思うほど、闇色と光色がここに自然に混在している。
この幻想のような絶妙な光景を、どう表現すればいいだろう。
「いやはや、これは見事なり。まさに心を奪われるような光景じゃのう」
「なんだかここの水、他の所よりも透明度が高くない?」
「おそらくこの、水晶の群れが発する光の作用じゃな。この光が濁った水を浄化しておる」
「え? そうなの?」
「うむ、清らかで澄んだ力を感じる。あの頃の、非常に美しかった水とまったく同じ気配じゃ」
「じゃあこの水晶たちって、ここの水をまた綺麗にしようとしているの?」
あたしは、水晶の草原を見渡した。


