『水晶……!』
駆け寄りながら、成重は呼ぶ。
水晶、迎えに来たのだよ。
あなたと私は、もう離れない。永遠に一緒だ。
成重の呼びかけに、閉じていた水晶の両目がゆっくりと開いていく。
生まれたばかりの雛鳥のように純真な目が、成重の姿を見つけて、それはそれは嬉しげに微笑んだ。
その姿があまりにも愛おしくて、成重は駆け寄りながら声を限りに叫ぶ。
『愛しているよ! 私の水晶!』
愛している。この世のすべての幸せを集めたような、私の水晶。
透き通った奇跡。清らかな永遠の光。
伸ばした指先が、いま、ようやくあなたに届く。
『成重様……』
歌うような可憐な声で水晶は囁き、夢見るようにそっと手を伸ばす。
白く華奢な指先で、彼女は焦がれ続けた者に触れることが叶うのだ。
お互いを呼ぶ声以外、音も存在せぬ世界で。
天には陽が、宙には風が、地には温もりが在り……
そして『私』と『あなた』が、あたりまえに在る、この世界で。
『成重様……この世界は本当に、素晴らしいのですね……』
愛し合う者同士の指先が触れて……
想いを通わせ合った、その、刹那の瞬間。
―― 『――――――ッ!!』
美しき世界は、現実となり。
水晶の全身が、弾け飛んだ。
駆け寄りながら、成重は呼ぶ。
水晶、迎えに来たのだよ。
あなたと私は、もう離れない。永遠に一緒だ。
成重の呼びかけに、閉じていた水晶の両目がゆっくりと開いていく。
生まれたばかりの雛鳥のように純真な目が、成重の姿を見つけて、それはそれは嬉しげに微笑んだ。
その姿があまりにも愛おしくて、成重は駆け寄りながら声を限りに叫ぶ。
『愛しているよ! 私の水晶!』
愛している。この世のすべての幸せを集めたような、私の水晶。
透き通った奇跡。清らかな永遠の光。
伸ばした指先が、いま、ようやくあなたに届く。
『成重様……』
歌うような可憐な声で水晶は囁き、夢見るようにそっと手を伸ばす。
白く華奢な指先で、彼女は焦がれ続けた者に触れることが叶うのだ。
お互いを呼ぶ声以外、音も存在せぬ世界で。
天には陽が、宙には風が、地には温もりが在り……
そして『私』と『あなた』が、あたりまえに在る、この世界で。
『成重様……この世界は本当に、素晴らしいのですね……』
愛し合う者同士の指先が触れて……
想いを通わせ合った、その、刹那の瞬間。
―― 『――――――ッ!!』
美しき世界は、現実となり。
水晶の全身が、弾け飛んだ。


