水晶は、そんな成重のことを真っ直ぐ見つめたまま、少しの間沈黙していた。
そしてゆっくりと顔を上に向けて空を見上げ、またあの印象的な表情を見せる。
『はい、本当に素晴らしいですね。お日様も、お花も、地面も、空気も、ビックリするほど素晴らしいですね!』
『…………』
『こんなにも普通で、平凡なことを見つけられて、私はとても嬉しいです。嬉しいって思える自分が、嬉しいんです』
微笑む唇から、白い歯が覗く。
なにかを強く信じているような目が、青い空と、広がる大地と、この世のすべてを見渡して、しっかりとその心に刻み込まれている。
『私はきっと、まだ生きられる。……そう信じられるから』
願い。決意。誓い。そのどれでもあり、そのどれとも言い切れぬ想い。
まだ少女としての幼さの残る頬の線と、それに似つかわぬ意思の強さと、大人びた言葉に、成重は圧倒されていた。
水晶は振り返り、笑顔で成重に話しかけてくる。
『また、ここでお会いできますか?』
『……あ……それは……どうでしょうか』
『もしまたお会いできたらその時は、よいお日和ですねって、今みたいにお声をかけてくれませんか?』
『はい?』
『世界はとても素敵ですねって、一緒に笑って話せる人がほしいんです』
『…………』
『お願いできますか?』
『もちろん』
大きくうなづく成重を見て、花がほころぶように水晶は笑った。
そんな風に目の前で笑ってくれたことが、成重は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
そしてゆっくりと顔を上に向けて空を見上げ、またあの印象的な表情を見せる。
『はい、本当に素晴らしいですね。お日様も、お花も、地面も、空気も、ビックリするほど素晴らしいですね!』
『…………』
『こんなにも普通で、平凡なことを見つけられて、私はとても嬉しいです。嬉しいって思える自分が、嬉しいんです』
微笑む唇から、白い歯が覗く。
なにかを強く信じているような目が、青い空と、広がる大地と、この世のすべてを見渡して、しっかりとその心に刻み込まれている。
『私はきっと、まだ生きられる。……そう信じられるから』
願い。決意。誓い。そのどれでもあり、そのどれとも言い切れぬ想い。
まだ少女としての幼さの残る頬の線と、それに似つかわぬ意思の強さと、大人びた言葉に、成重は圧倒されていた。
水晶は振り返り、笑顔で成重に話しかけてくる。
『また、ここでお会いできますか?』
『……あ……それは……どうでしょうか』
『もしまたお会いできたらその時は、よいお日和ですねって、今みたいにお声をかけてくれませんか?』
『はい?』
『世界はとても素敵ですねって、一緒に笑って話せる人がほしいんです』
『…………』
『お願いできますか?』
『もちろん』
大きくうなづく成重を見て、花がほころぶように水晶は笑った。
そんな風に目の前で笑ってくれたことが、成重は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。


