毎日毎日、拷問に等しい過酷な宝物創りを強いられ、死者も多数にのぼるという。
さぞや皆、涙にくれて疲労困憊、打ちひしがれているだろうと確信していた。
だから本当は、こんな悪代官の年貢の取り立てのような役目は、断りたかったのだ。
でも十四番目の部屋住み息子に、拒否権などは一切与えられていないから、命令に従うより他になかったけれど。
『私は蛟一族の、成重と申します』
『小浮気一族の水晶でございます。こちらがお約束の宝物です。どうぞお納めください』
『確かに受け取りました。それでは次回も、期日までに間違いなく……』
『承知しております。ではこれで失礼いたします』
『あの!』
宝物を手渡し、欄干から水面へ飛び込む気配を見せた水晶に、成重は思わず声をかけていた。
『はい? なにか他にご用でしょうか?』
『あの……』
声をかけておきながら、成重は困惑していた。
呼び止めて、自分はなにを言うつもりなのか。
ただ、辛酸を舐めている小浮気一族が、気の毒に思えてならない。
かと言って自分がいまここでなにを言ったとしても、彼らにとってはなんの気休めにもならないことも、よく分かっていた。
『……あの、本当に、良いお日和ですね』
気がつけば、そんな気の利かない言葉が口を突いていた。
あまりにも陳腐な言葉に、我ながら情けなくて頭を抱えてしまいそうになる。
でも水晶の、さきほど見せたあの幸せそうな表情が、成重の心に強烈な印象となって残っていた。
こう言えば、ほんのわずかでもこの少女は、喜んでくれるのではないか?
なんとか喜ばせたい。この人を。
成重は無意識のうちに、そう考えていたのだ。
さぞや皆、涙にくれて疲労困憊、打ちひしがれているだろうと確信していた。
だから本当は、こんな悪代官の年貢の取り立てのような役目は、断りたかったのだ。
でも十四番目の部屋住み息子に、拒否権などは一切与えられていないから、命令に従うより他になかったけれど。
『私は蛟一族の、成重と申します』
『小浮気一族の水晶でございます。こちらがお約束の宝物です。どうぞお納めください』
『確かに受け取りました。それでは次回も、期日までに間違いなく……』
『承知しております。ではこれで失礼いたします』
『あの!』
宝物を手渡し、欄干から水面へ飛び込む気配を見せた水晶に、成重は思わず声をかけていた。
『はい? なにか他にご用でしょうか?』
『あの……』
声をかけておきながら、成重は困惑していた。
呼び止めて、自分はなにを言うつもりなのか。
ただ、辛酸を舐めている小浮気一族が、気の毒に思えてならない。
かと言って自分がいまここでなにを言ったとしても、彼らにとってはなんの気休めにもならないことも、よく分かっていた。
『……あの、本当に、良いお日和ですね』
気がつけば、そんな気の利かない言葉が口を突いていた。
あまりにも陳腐な言葉に、我ながら情けなくて頭を抱えてしまいそうになる。
でも水晶の、さきほど見せたあの幸せそうな表情が、成重の心に強烈な印象となって残っていた。
こう言えば、ほんのわずかでもこの少女は、喜んでくれるのではないか?
なんとか喜ばせたい。この人を。
成重は無意識のうちに、そう考えていたのだ。


